少し難読な漢字「山茶花」。

何と読むかわかりますか?

答えは「さざんか」。

数少ない冬に咲く花として、重宝されていますね。

山茶花の花を見ると、寒くなってきたんだなとしみじみ思います。

 

しかし、同じように寒い時期に花を咲かせる植物といえば「椿」もお馴染みです。

一見同じように見える両者ですが、その違いはなんなのでしょうか。

今回はそんな山茶花と椿の違いについて、まとめていきたいと思います。

見た目の違い

とても良く似ている山茶花と椿ですが、よく観察すれば異なる点も見えてきます。

まずは葉の違い。

 

葉の形自体はよく似ていますが、大きさは山茶花が3~7㎝、椿が5~12㎝と、意外にも全く違います。

また、椿の葉は艶々としているのに対し、山茶花の葉は艶がなく縁がギザギザしていて、葉の付け根に細かい毛があるのが特徴。

 

さらに葉脈の色も山茶花は白、椿は黒と全く違うのです。

葉の違いを覚えておけば、開花時期以外でも両者を見分けることが可能ですね。

 

次に、実の違いです。

山茶花の実には毛が生えていますが、椿には毛がありません。

 

実と同様に、子房の毛の有無でも見分けることができます。

そして花の違い。

 

山茶花の花は平開(開ききる)のに対し、椿の花は平開せず、加えて雄しべが筒状になっているのが特徴です。

ただし花の見た目に関しては、現在どちらもかなりの品種が出回っており、似たものも多いため区別がつきづらくなっています。

見た目で見分けるなら、葉や実を観察したほうが、よくわかりますよ。

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生態の違い

見た目以外に、生態にも違う点は多々あります。

まずは開花時期。

 

山茶花の開花時期は晩秋から真冬にかけて(10月~2月頃)なのに対し、椿の開花時期は真冬から春にかけて(12月~4月頃)なのです。

12月~1月頃に既に咲いている花を見てどちらか判断するのは難しいですが、咲き始めた時期が分かれば両者を見分けることができますね。

 

また、一目瞭然でその違いが分かるのは、花の散り方です。

山茶花は他の花と同様に、花弁が一枚一枚ハラハラと散っていくのですが、椿は花が丸ごとボトっと落下します。

その姿はまるで首が落ちるようで、かつては縁起が悪いものとして敬遠されていたんだとか…。

 

しかし、一度は椿の花が落下する瞬間を見てみたいですね。

偶然その場に居合わせたら、ちょっと感動しそうです。

 

そして最後に香りの違い。

椿は品種改良された一部のものを除いて、基本的に香りはありません。

しかし、山茶花は逆に香り豊かな花であり、特にピンク色のものは香りが濃厚だと言われています。

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見た目以外の共通点

さて、ここまで様々な違いを紹介しましたが、ここからは共通点についても少し見ていきましょう。

ただ単に見た目が似ているだけではありません。

どちらも同じツバキ科ツバキ属の植物なので、共通点もあります。

まずは、実から採れる油は食用などに利用できるという点です。

 

椿油は整髪料や化粧品として有名ですが、食用としても使われていますね。

同じく山茶花の油も、化粧品や食用として利用できます。

 

また、どちらもお茶にして飲むことができるのです。

じつはお茶の木というのはツバキ科の植物なので、同じツバキ科である山茶花や椿もお茶として楽しめるんですよ。

気分を落ち着かせたり、安眠に効果があると言われています。

山茶花と椿の違いについてのまとめ

今まで全く違いがわからなかった人でも、もうこれで完璧に見分けることができそうですね。

どちらかを見かける機会があったら、チェックしてみてください。

 

鑑賞用として庭に植えようと思う場合も、それぞれの違いを知っていれば、選びやすくなりますね。

…もし私が選ぶなら、椿のほうですね。

理由は、花弁が散らないので掃除が楽そうだからです。

(ライター もんぷち)

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