カタバミとクローバー、どちらもどこかで見たことがある植物。
野の花の代表です。
そんなカタバミとクローバーの違いははっきりとわかりますか?
今回はそんなカタバミとクローバーのお話です。
カタバミの特徴
カタバミはカタバミ科カタバミ属の多年草で日本の地方名にはかがみぐさ、すいば、じょっぱぐさ、すずめぐさ、ねこあし、もんかたばみ等があります。
日本方言大辞典には180種類以上が記録されています。
近年はオッタチカタバミという帰化種が急増しています。
地下に球根を持ち、更にその下に大根のような根を下ろします。匍匐茎を良く伸ばして地表に広がり、繁殖が良いうえに根が浮かいので駆除に手間のかかる雑草でもあります。
葉は球根の先端から束に出て、葉はハート形の3枚がとがった先端を寄せ合わせた形をしています。
三出複葉ですが先端の葉と側面の小葉の区別はつきづらいのも特徴です。
クローバーと同様に4葉や6葉といった多様変異体が発生しやすくもあります。
春から秋にかけて黄色の花を咲かせ、花弁は5弁で日向では花を出しますが、日陰に裂いてしまうと花がしぼんでしまうのが大きな特徴です。
果実は円柱状で先がとがっていて、まっすぐに上を向いてつきます。
成熟時には動物などが触れると自ら赤い種子を勢いよくはじき出し、最大で1m程度まで周囲に飛ばすことが出来ることも繁殖に有利となっています。
葉や茎葉シュウ酸水素ナトリウムなどの水溶性シュウ酸塩を含んでいるので噛むと酸っぱい味がします。
またシュウ酸の他にもクエン酸、酒石酸も含まれます。
カタバミと人間のかかわり
カタバミの全草は生薬として使われており、消炎。解毒、下痢止めなどの作用があるとされています。
民間療法ではしぼり汁は虫刺されに効果があるとされます。
日本の家紋にも大奥使われていて、繁殖力が強く、一度根付くと絶やすことが困難であることが家が絶えないことに通じるのがその理由と考え得られ、武家の間の図案として用いられました。
クローバーの特徴
クローバーはマメ科シャジクソウ属の一種で全世界に260種類あると言われている植物です。
茎葉血を這うように長く伸びて、葉は三小葉で稀に4~5枚、及び7枚の葉のものがあります。
花期葉5~9月で、高さは5~20㎝程の花柄の先に長さ1㎝程の小さな蝶形の花を密集して咲かせ、球状の花序を作ります。
花の色は白焼き色、ピンク、紅色等があり、一年草、二年草、または多年草です。
クローバーと人間のかかわり
重要な蜜源植物で、クローバーのハチミツは世界で最も生産量が多く、葉は茹でて食用にすることもできます。
花穂は強壮剤、痛風の体質改善薬などとして用いられていて、解熱や鎮痛効果もあると言われています。
アイルランドでは三つ葉のクローバーがジャムロックと呼ばれ、国の象徴として用いられています。
あるジンクスには五つ場のクローバーは金銭面の幸運や二つ葉のクローバーを見つけると不幸が訪れるというものもあります。
カタバミのクローバーの違い
カタバミとクローバーの見た目の違いとしては、第一に花の色と形が挙げられます。
日本の野生下で咲いているカタバミは黄色が多く、クローバーは白やピンク色です。
花の形もカタバミは葉の脇から長い花柄を伸ばして黄色い小さな5弁花をつけますがクローバーの花は花序径が15~25㎜位あり、小さな蝶形の花が球状の総状花序を作っているので、一つの花のように見えます。
二つ目は葉の特徴です。クローバーは葉が広い倒卵形をしていて、中央にVの字の白い模様が入る3枚の小葉に分かれ、昼夜関係なく開いたままですが、カタバミは長い柄の先にハート形の葉を3枚つけ、日が陰ったり夜になると折りたたんだようになります。
(ライター ナオ)