センザンコウとアルマジロ。
イメージや雰囲気的がとても良く似ている動物ですが、よく見ると全く違う体をしています。
センザンコウって?
センザンコウはもともとはアリクイと同じ仲間とされてきましたが、のちにセンザンコウ目といして分類され、現在、学問の分野ではネコに最も近い哺乳類とされています。
体長が30~80㎝と幅広く、インドから東南アジア、また、アフリカにも生存している動物です。
木登りの特異な種類や、尻尾を木の枝に巻き付けて、器用にぶら下がることができる種類もいます。
独特の鱗が特徴的で、体重の約20%ほどが鱗といわれていて、その素材は人間の爪と同じ、ケラチンでできているそう。
そのケラチンの鱗が松ぼっくりのように幾重にも重なって、強固な武器としてセンザンコウの体を守っているというわけです。
センザンコウの生態
普段は前足の爪でシロアリなどの巣を崩して長い舌を巣の中に入れて、好物のアリを食べます。
食べるといっても、歯はないので、すり潰すような食べ方です。舌は70㎝ほどもあり、これはアリクイも顔負けの長さ。
中には死んだふりをして、鱗を完全に開き、そこによって来たアリたちを鱗を閉じて、閉じ込め、その後水に入ってアリたちを水面に浮かせ、そこを捕食するという高等テクニックを持ったセンザンコウもいるとか・・・
敵が近づいて、危険を感じると丸くなり、じっと固まります。
しかし、ケンザンコウの護身手段はそれだけではないんです。実はケンザンコウの鱗は防御だけでなく攻撃にも使え、刃物のように鋭いのが特徴です。
尻尾もとても立派で、尻尾を振って攻撃に使うこともあります。
そしてそして、スカンクのように臭いオナラをする防御方法も持ち合わせているとか!!
歯や牙を持たない分、体全体で身を守っているんですね。
センザンコウと人間の暮らし
そんな硬い鱗に覆われたセンザンコウですが、人間には歯が立たないようで・・・・近年はセンザンコウの密輸や絶滅が騒がれるようになってしまいました。
特にサバンナセンザンコウという種類は絶滅の危機が心配されています。
中国では古くから鱗が漢方薬や媚薬として使われていたのですが、その需要が広がっているということや、珍しい革製品が高価な値段で取引されるという現実があるようです。
インドでもリウマチに効く薬として、また、中国・アフリカでは肉を食用とし、鱗を魔除けとして使っているところもあるそうです。
ベトナムのマライ家族の民族楽器もセンザンコウの鱗を利用しているそうです。
アルマジロって?
私たちにはどちらかというと、アルマジロの方が聞き馴染みのある動物でしょうか?
北アメリカからアルゼンチンにわたって生息しています。体毛が変化した板を並べたような体表で、その模様は一見センザンコウと似ているのですが、構造的には全く違うものです。
アルマジロもセンザンコウと同じく、体長は10㎝ほどのものから100㎝ほどのものまで、種類が幅広く、体重もヒメアルマジロは0.1k、オオアルマジロは30kと、まるで大人と子供程の差があります。
アルマジロの生態
アルマジロは夜行性で穴を掘り、昼間はその穴で寝て、暮らしています。
一日のうちの18時間ほどは寝て暮らすというのんびりもの。
夜になると昆虫やミミズ、蛇、カタツムリなどを探し、エサとしていて、敵が来ると丸くなって身を固めて敵から身を守ります。
体表はとても固く、一度丸まってしまうと、ライオンでも歯が立たないほど。
アルマジロに銃を向け、その弾丸が跳ね返されて怪我をするということもしばしば起こっているようです。
ペットとしてのアルマジロ
そんなアルマジロですが、いったん懐いてしまうととても無防備な可愛らしい一面も持っているらしく、ペットとして飼われることもある動物です。
一度懐いて心を許してしまうと、その硬い体が全く必要になくなるようなダラケぶりで、寝る時はお腹をだし、仰向けに寝たりするのだとか・・・
哺乳類の中では唯一ハンセン病が感染する動物らしく、実験や研究に使われることもあるようです。
雰囲気が似ているけど、実は違うセンザンコウとアルマジロ。
お分かりいただけましたでしょうか?
(ライター ナオ)