ゴールデンターキンという名前を聞いたことがあるだろうか?
動物園などでも見ることができるこの動物。一体、ヤギなの!?牛なの!?羊なの!!???
ゴールデンターキンって?
中国の一部の地域にのみ生息している絶滅危惧種に指定されているヤギのような牛のような動物ターキン。黄金の毛に覆われた、神秘を感じるターキン科の動物です。
トレードマークの角は、一度真横に広がり、その後、体の後ろ方向に向かって生えていて、長い時には90㎝ほどにもなるそう。
ゴールデンターキンの生態
ゴールデンターキンは普段標高2500~4000mの標高の岩場で生活をしています。
群れでいることが多く、その数は300頭になることもあります。エサの多い時期と少ない時期では群れの頭数も変わっていて、種として生き残るための戦略と考えられます。
雄は年をとると、一頭で単独行動することが多いようです。
普段は早朝や夕方に笹やシャクナゲなどの植物の葉を食べ、高いところにある葉っぱは後ろ足で立って、伸びあがって食べることもあるようです。冬などの葉っぱの少ない時には木の皮なども食します。
岩場を歩きやすいように蹄にはしかりと割れ目が入っていて、器用に岩場を歩き回って植物を探します。
岩場の移動ルートはいつも同じらしく、最適な移動を常にしているのだろうと推測できます。
牛と同じ反芻動物なので、一旦食べたエサで未消化のものを、胃袋から戻して、もう一度細かく砕いた状態で再び飲み込む、ということをしています。
繁殖期は7~8月で、妊娠期間は7~8ヵ月。一頭は一年に一子を生み、子供は3日ほどで歩くことができるようになります。
2~2年半ほどで生成熟し、その後、野生の状態での寿命は16~18年ほどだそうです。
普段はのんびりと歩いているように見えますが、敵に襲われそうになると身軽に岩から岩へと飛び移り、咳をしながら威嚇して逃げます。天敵はクマや狼、ヒョウなど。
名前についているゴールデンは、その名の通り、毛が金色であるところからきているのですが、これはゴールデンターキンの体中にある臭腺から出る油によるものと考えられています。
標高の高い地域で体が霧で濡れるのを防ぐために体をコーティングするための油です。
ゴールデンターキンと人間のかかわり
ゴールデンターキンはギリシャ神話に描かれている金羊毛のモデルとなっている動物と考えられています。
神話の中では金色の羊に乗って逃げる場面が描かれたり、金色の毛を手に持っている絵が残されていて、ゴールデンターキンは昔から、人とかかわりを持ってきた動物のようです。
現在では日本の動物園などでも飼育されていて、外国の岩場に行かなくても、簡単にその姿を見ることができます。
飼育下のゴールデンターキンは葉っぱの他にも、サツマイモやニンジンなどの野菜もエサとしてたべているそうです。
飼育下で管理されると20年ほどは生きるそうですが・・・ゴールデンターキンの姿はやはり、岩場にいてこその格好良さのような気もしないではありません。
その姿は見えるのに、人間には到底追いつくことができない岩壁を歩く悠然とした姿は、さぞかし美しいだろうな~と想像してしまいます。
まあ、そうはいっても、ブログなどでゴールデンターキンの赤ちゃんを見れば、それはそれで何とも可愛らしいもので・・・。
赤ちゃんの頃は茶色のふさふさとした毛が生え、角もないので、その姿はまるで羊のようです。
角は6か月ころから徐々に生えていくそうで、角の生える前の愛らしいゴールデンターキンはなかなか魅力的です♪
東京の多摩動物園や神奈川県のズーラシア、和歌山県のアドベンチャーワールドなどで飼育されているので、お近くの方はぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか?
(ライター ナオ)