動物のネーミングは結構ストレートなものが多いようで、ハダカデバネズミも例にもれず、見た目そのままの、裸で出っ歯なネズミです。

これが今キモ可愛いと巷で騒がれているとか・・・。

ハダカデバネズミの特徴

体長は10~13㎝ほどで体重は10~70g。

手のひらに乗るような、ハムスターサイズの大きさです。体には感度の高い体毛が生えていて、全体の色は灰色から茶色。

てろんとした体に2本の前歯が大きく突き出しているのがとても印象的です。

 

ハダカデバネズミの生態

ハダカデバネズミは東アフリカの一部の地域に生息していて、普段10~290匹ほどの大群で土の中に巣穴を作って生活しています。平均的には70~80匹でいることが多いようです。

植物食で、地価植物や根っこを食べています。

哺乳類では珍しい真社会性の動物で、共同して子育てをします。

女王アリや女王蜂を筆頭とした彼らの集団生活はよく知られるところですが、ハダカデバネズミにも女王ネズミ的存在がいるということ。

繁殖をするのは一匹のメスのハダカデバネズミだけで、あとのハダカネズミは子供のお世話係というポジションということ。

 

大きいネズミは巣穴の防衛にあたり、小型のネズミは穴掘りや食料の調達係というように自然と分類されているそうですよ。

ハダカネズミの天敵は蛇で、穴掘り途中に見つかって捕食されてしまうことも度々だとか。

 

真社会性の生き物たちの特徴は生まれた子供が穴の中の作業ができるまでそこにとどまり、二世代が共存して同じ巣穴にいること。哺乳類ではマダラランドデバネズミが同じように真社会性の動物です。

 

女王ネズミは2か月ほどの妊娠期間を経て、出産します。4~5回ほどの出産で、50匹ほど生みます。

万が一女王ネズミが出産できなくなると、複数のメスとオスが無秩序に交尾をしだすようですが、時期にそのうちの一匹だけが大きくなり、そのネズミが新しい女王ネズミになっていくのだそうです。

どうやらこのメカニズムは女王ネズミのだすフェロモンが影響しているようで、「私が一番よ!」という強いオーラが群れに作用するということのよう。

色んなものに守られて生きる女王ネズミは28年ほども生きるそうです。

 

研究対象のハダカデバネズミ

ハダカネズミには私たち人間にとっては羨ましい能力が沢山備わっている動物で、今研究者の間では注目の存在です。

例えば、長い寿命の秘密は健康な血管機能を維持することができるからで、老化するとどうしても高まる酸化による血管の損傷を何らかの方法で防いでいるのだそう。

また、高いがん耐性能力も持っていて、野生のハダカデバネズミにはがん細胞を移植してもがんにかからないという実験結果がでているのです。

最近になって、飼育下にあるハダカネズミでがん細胞が発見されたものもいたそうですが、これは本来ハダカネズミの持っている能力を否定するものではなく、相変わらず、ハダカネズミの高いがん耐性の秘密は研究の対象になっています。

また、無酸素状態でも生きていられるという驚異の能力も持っていて、その記録は18分!!

これは一時的に、必要のない機能を低下させ、最低限生存に必要な機能だけに栄養を送る能力を身に着けているからと考えられています。

普段使っているブドウ糖の代わりに、果糖を心臓と脳に送ることで、酸素の消費なく生存できる能力を身に着けているということらしいです。

 

もともと、「巣穴の中での集団生活」と聞いただけで、何だか酸素薄そうだな…と思ってしまいますが、そんな過酷な環境の中で自然と身についた能力なのかもしれません。

 

といった具合に、不気味で可愛いハダカデバネズミはこれから人類を救う存在になっていくかもしれない貴重な存在ということです。

そんなハダカデバネズミたちをどうぞよろしく!

日本では上野動物園に展示されていますので、興味のある方はぜひ!!

(ライター ナオ)

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