名前だけ聞くととっても強そうなライオンのようなタテガミのある恐ろしいオオカミを想像してしまう「タテガミオオカミ」。
でも実は、名前と現実の間にはとてもギャップのある、可愛らしいオオカミなんですよ!
タテガミオオカミって?
タテガミオオカミはアルゼンチン、パラグアイ、ブラジルなどの南米に生息している動物です。
イヌ科の中では最速の脚を持っていて、その速さはチーター並み!!
耳が大きくて脚が長くて、見るからにできる奴!!ということがわかります。
なぜタテガミオオカミという名前が付いたかというと、それは背中部分の毛の一部が黒くて馬のたてがみの様に立っているからだそう。
タテガミオオカミはキツネに近い!
タテガミオオカミの体長は122~132㎝ほど。オオカミというより、キツネに近い風貌です。
キツネと同じように雑食で、ウサギやネズミのような小動物を食べるかと思えば、貝類や果実、草までとにかく何でも食べて栄養にすることができます。
持ち前の大きな耳の優れた聴覚を利用して、獲物のいる場所を的確に把握します。小動物を捕まえる時はぴょんと跳ねて獲物にとびかかり捕食します。
こんな捕食の仕方もキツネそっくりです。
夜行性で、夜エサを求めて一晩の間に30㎞ほど移動することもあるそうです。
タテガミオオカミの長い脚!
普段は低木の生えている沼沢地や草原などにいます。繁殖期以外は単独での行動が多く、繁殖期だけ雄雌ペアで歩いています。
足の長さはこの低木地帯を歩きやすいように進化したと考えられていて、さらに歩きやすいように同じ側の脚を動かす歩き方、側対歩をしています。
走れば、チーターの次に速いといわれていて、その時速は90kmほど!!チーターが時速100㎞と言われていますから、本当に速いんです!
特に何の天敵もいないタテガミオオカミになぜこの速さが必要なのかはちょっとした疑問。
しかも、単距離走るごとに立ち止まって後ろを振り返る習性があるとかで、その立ち止まった時に人間に捕まえられてしまうこともしばしばだとか・・・。この能力のアンバランスさがとても気になるのは私だけでしょうか?
それにしても、羨ましいほどの脚の長さ。人間の世界で言えば、間違いなくモデルの道に行くべきですしょう。
タテガミオオカミの子育て
繁殖期は地域によって違っていて、北半球では10~2月。
南半球では8~10月で一夫一婦制。約2か月ほどの妊娠期間を得て、出産します。
赤ちゃんの時の大きさは500g程度で、とても小さく、可愛らしい姿をしています。
雄雌共同で子育をして、雄が一旦食べたものを吐き出して、消化しやすい状態で子供に与えます。2~3か月ほどで子供は親と同じ毛の色になり、その後15年ほど生きます。
絶滅危機のタテガミオオカミ
タテガミオオカミは全世界で2000頭ほどしか生存していないといわれていて、絶滅の危機にある動物です。
立派な毛並みを持っていますが、下毛がないので毛皮などに使われることがなく、毛皮目的の乱獲などはされていません。
それでも数の減少が止まらない大きな理由は、ブラジル周辺の森林伐採による生息場所の減少と言われています。
雑食と聞くと、生命力に溢れているように思えるのですが、人間の極端な行動には太刀打ちできないということでしょうか・・・。
日本でも会えるタテガミオオカミ
タテガミオオカミは日本の動物園でも飼育されています。
以外にデリケートな面もあるらしく、飼育するのはなかなか難しいのだそう。
飼育するときのエサは馬肉や鶏頭、煮たイモ等が与えられているようです。
東京の上野動物園か、和歌山のアドベンチャーワールドに足を運べば、スレンダーでかっこいいタテガミオオカミに会えるかもしれませんよ!
(ライター ナオ)