オオカミってまだ野生で存在していたの!?なんて思っている方はいませんか?

一歩日本を出ればまだまだこの世界にしっかりと脚をついて生きているオオカミたちもいるんです。

世界のオオカミについて、現存か絶滅か等を含め特徴や生息域についてご紹介していきたいと思います。

アラスカオオカミ

アラスカオオカミはカナダ北西部、アメリカ北西部のモンタナ州、アイダホ州、ワイオミング州に分布し、今もなお分布を拡大しているオオカミです。

成獣の体重は45~54kg、肩までの高さは75~90㎝。

かつて生息していた日本固有のニホンオオカミと比べると四肢、吻、耳介が短く、目の周りに淡色斑を欠いて頭骨では前頭部の盛り上がりが弱いのが特徴的です。

イタリアオオカミ

イタリアオオカミはイタリアのアペニン山脈と西部アルプスの山岳地帯に棲息しています。

かつてイタリアに多く生息していたイタリアオオカミ。生息域が人間の居住空間と被り家畜を襲うことなどから駆除されてきた歴史を持っています。

イタリアオオカミの特徴と生態

そのため一時は100頭ほどにまで生息数が減少しました。1970年代に入ってからは保護活動が行われ、現在は1500~2000頭程と考えられています。

成獣のオスの体重は24~40kg、体長は100~140㎝でメスはそれより1割ほど小さいのが特徴です。体毛は黒や灰色、茶色をしています。

インドオオカミ

インドオオカミはアラビア北部、イラク、インド北部に分布し、草原などの開けた場所に生息しています。ドールとの棲み分けが必要ない地域では森林にも生息していると言われています。

体長は肩の高さが60~72㎝、体重は20~30kg程。体側の毛は3㎝前後に達します。

大柄で四肢が長く、比較的障害物の少ない草原を駆け回るのに適しています。

インドオオカミの生息数は人間の進出によって大きく減っています。かつて群れをつくって生活していたインドオオカミも現在では群れをつくることも少なくなりました。

エゾオオカミ

エゾオオカミはかつて北海道、樺太、千島列島に分布していたオオカミです。明治時代の北海道開拓で獲物のエゾシカが減少に、当時重要な家畜であったウマを襲うようになったため1877年から駆除が始まりました。

更に1879年には大雪によるエゾシカの大量死が起こり、生息数が減少。現在では絶滅したとされています。

体長は頭胴長が120~129㎝、尾の長さは27~40㎝で体色は黄色っぽく尾の先端は黒色。両前足には黒斑があり、吻は細長いのが特徴。

シベリアオオカミ

シベリアオオカミはシベリア北部、東部の森林地帯に棲息しています。シンリンオオカミやヨーロッパオオカミなどと並び体が大きく体長は150~200㎝程になります。

シンリンオオカミ

シンリンオオカミは北アメリカのカナダ、アラスカの森林地帯や開けた平野部、ツンドラ地帯や山地など様々な場所に生息しています。

オオカミの中で最も大きく頑丈な体をしていて、体長は100~150㎝、体重は25~45kg、尾の長さは40㎝ほど。体色は灰褐色から白っぽい色まで個体によって変異があります。

日本では札幌の円山動物園や旭川の旭山動物園など、いくつかの動物園で飼育され見ることができます。

どこか神秘的な美しさと優しい目がとても魅力的で人気があります。

ニホンオオカミ

ニホンオオカミは日本の本州、四国、球種に生息していたオオカミです。1905年に奈良県吉野郡緒川村で捕獲された若いオスが確実な最後の生息情報とされています。

絶滅の下人はおおむね狂犬病やジステンパーとなどの家畜伝染病と人為的な駆除、開発による餌の減少や生息地の分断などの要因が複合したものであると考えられています。

体長は95~114㎝、肩の高さは約55㎝、体重推定は15kgほどというのが定説になっています。

絶滅したニホンオオカミの特徴

他の地域のオオカミよりも小さく中型日本犬ほどですが、中型日本犬より脚は長く脚力も強かったと言われています、尾は背中側に湾曲し、先が丸まっていて吻は短く、日本犬にあるような段はありません。

耳が短く、周囲の環境に溶け込みやすいように夏と冬で毛色は変化します。

絶滅の時期が早かったため、ニホンオオカミの剥製は世界に4体しかなく、国内ではそのうち3体で後の一体はオランダにあります。近年クローン技術によってニホンオオカミを復元しようという話も持ち上がっています。

ハイイロオオカミ

ハイイロオオカミはヨーロッパからアジア、北アメリカからメキシコなどの北半球に広く分布していますが、グリーンランドやアラスカ地方などの北極圏にも分布しています。

森林や草原、荒野やツンドラ地帯、半砂漠地帯やほとんど不毛のちなど生息域も広く、低地から標高4000m近い山地まで様々な環境に適応しています。

分布域が広いこともあり灰色オオカミの体調や毛色には個体変異が見られます。

全体を平均すると体重は40kg程だったとされますがウクライナでは体重86kgもの個体が、アラビアやインドでは12kgの個体が確認されていて、分布域や食料事情などによって大きな差がある一方で50kgを超える個体は少ないと言われています。

ハイイロオオカミの特徴と生態

体色についても黄褐色から灰褐色のような色合いが多いのですが、白っぽいものや灰色のもの、ほとんど黒いものや真っ白なものまでさまざまなものが見られます。腹側は淡く、体毛は二層に分かれ、夏毛と冬毛があります。

特に寒冷地に生息しているものは毛が長く、冬には頸部から肩、背中にかけておよそ12㎝程の長い毛が生え、雪など殻体を守っています。

四肢は細長く、指行生で、歩く時にはつま先で歩き、尾は長くフサフサとしていて耳は三角形で比較的小さいですが聴覚に優れ、臭覚、視力も優れていると言われています。

ホッキョクオオカミ

ホッキョクオオカミはグリーンランド北部と東部、クイーンエリザベス諸島、バンクス島、ビクトリア島、ユーラシア大陸の北極圏など煮分布し

ハイイロオオカミより小さく、オスの肩までの高さは60~80㎝、体重は480g程。メスはオスに比べ1~2割小さい体をしています。体毛は白く、まるでホッキョクグマのように真っ白です。これは北極圏という銀世界で保護色になっています。

ホッキョクオオカミの特徴と生態

獰猛とされるオオカミの中では比較的穏やかな性格。

メキシコオオカミ

メキシコオオカミはかつてアリゾナ州・ニューメキシコ州・テキサス州及びメキシコに分布、森林地帯に棲息していましたが、家畜を襲い、経済的な被害があるとして駆除の対象となり、一時はほとんどの地域で絶滅寸前の状態となったオオカミ。

その後アリゾナ州とニューメキシコ州の国有林に再導入され、2006年現在養殖施設で飼われているメキシコオオカミは300頭程と言われています。

成獣の体長は全長167㎝、肩の高さは71~81㎝、体重は23~36kg程。体色は黄褐色、灰色、黒が交じり合っていて白や黒の単色の個体はいません。

ヨーロッパオオカミ

ヨーロッパオオカミは主にシベリア、中央アジア、ヨーロッパ、モンゴル、中国北部、北東部、北西部、南西部の山岳地帯に棲息していますが数十年前に濫獲されたためアジア、ヨーロッパでは生息数が大幅に減少しましたが1950年代にオオカミの迫害がなくなり、再びヨーロッパオオカミの個体数は回復しています。

2005年時点でスウェーデンとノルウェーのヨーロッパオオカミの数は100頭以上。2015年にはノルウェーでは56頭生息するオオカミのうち50頭を射殺することが決定していました。

ただし、ノルウェーで設定されているオオカミゾーンの内にいるか、外にいるかが重要で羊農家とオオカミ減少を望む政党との対立が続いてます。

体長は76㎝以上あり、地域によって差異がありますが体重は69~80kg程。メスはオスよりも2割ほど体格が小さいとされています。

体毛は白色、浅黄色、柿色、灰色、黒色を混合した色が頬あたりまで続きます。

オオカミの種類のまとめ

いかがでしたでしょうか。少々情報の少ないオオカミもいましたが、私たちには既に馴染みはなくなり、想像の世界の架空の生きものという側面の強いオオカミたち。

世界で一度は絶滅に瀕したものの人間の手によって生息数が回復している種類もいます。

どこか神秘的な雰囲気を持つ魅力的なオオカミたち。しかし、一方絶滅に瀕し対策を練れば生息数が回復し、再び問題を起こすなど、なかなか人間との共存は難しいよう。

オオカミたちも今世紀における自分の立ち位置!?を見つけかねているような・・・・・

動物園でオオカミを見かけた時にはぜひ自然界で生きる野生のオオカミに思いを馳せながら見てみてくださいね。

(ライター ナオ)

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