「狐」と「狼」。
なんとなく全く別の生き物だというイメージが強いですが、よく考えれば似通った面が多くあります。
それもそのはず、どちらも同じ「イヌ科」の動物なんです。
そりゃあ似ているところもあって当たり前ですね。
もし狐が首輪つけられて散歩していて、「この子雑種で~」なんて言われたら、信じてしまいそうです。
そこで今回私が知りたいのは、彼らには具体的にどんな違いがあるのか、という点について。
というわけで、ここからは狐と狼の違いについて見ていきましょう!
狐と狼の違い
狐と狼、「どっちがどっち?」なんてことはまずありませんし、見分けることは簡単です。
間違える人はきっといないでしょう…。
見た目の違いは一目瞭然ではありますが、おさらいとして違いを一つずつ見ていきましょう。
大きさの違い
じつは狼はイヌ科最大の動物であり、大きいものでは体長160㎝、体重50kg以上になることもあります。
犬で言えば超大型犬ですね。
絶滅した「ニホンオオカミ」は小型の種ではありましたが、それでも体長は100㎝以上。
それに対して狐は、大きいものでも体長80㎝ほどで、犬で言えば中型犬ほどの大きさです。
大きさをしっかり確認できれば、まず両者を見間違うことはないでしょうね。
顔の違い
狐の特徴と言えば、何と言っても大きな耳!
「フェネック」などはその特徴が顕著に表れていますが、狐は顔の大きさに比べて耳が大きいです。
(そのため、聴力のすごさもイヌ科では群を抜いています。)
また、狐は狼に比べるとマズルが細く、シャープな顔つきをしているのが特徴。
目の違い
猫の目は明るい場所で瞳孔が細くなる、というのは常識ですが、狐はイヌ科の中で唯一、猫のように瞳孔が細くなる生き物です。
ここが、狐と狼の最も大きな違いといってもいいでしょう。
狼を含め、他のイヌ科の生き物たちは、人間と同じで動向は真ん丸です。
生態にも様々な違いが!
見た目からして全く違う狐と狼ですが、その生態にも大きく異なる点があります。
ここからは、狩りや食性などの生態の違いについて見ていきましょう。
食性の違い
狼はもちろん、言うまでもなく肉食です。
極端に飢えた状態になれば穀物などを食べることもあるようですが、基本的には肉しか食べません。
それに対して狐は雑食。
肉食傾向が強くはありますが、果実や野菜など植物性のものも食べます。
特に飼育下にある個体は、犬と同様に茹で野菜などを餌として与えることも多いんだとか。
群れの違い
基本的にイヌ科の動物は群れを作って行動します。
それは狼も例外ではなく、つがいを中心とした数頭~数十頭の群れを作って行動するのが基本。
しかし、狐は単独行動、もしくは家族単位の小さなグループで行動をします。
そのため犬や狼のような縦社会は存在せず、ペットとして飼った場合も人間をリーダーと認識することはないようです。
狩りの違い
狼は群れで獲物を追い込んだり追跡するようにして仕留めますが、狐は獲物にそっと忍び寄って瞬時に仕留めるタイプです。
イヌ科だけあってとても頭がいいので、仮病を使ってだまし討ちをしたり、水草でカモフラージュしながら泳いで獲物に近づいたりもするそう。
「狐に化かされる」なんていうのも、こういった頭の良さからきたものかもしれませんね。
また、狼は木に登ることはありませんが、狐は木に登って待ち伏せをすることもあります。
狐と狼の違いについてのまとめ
狐はイヌ科の動物でありながら、犬よりも猫に近い性質を多く持っている動物です。
そのため、見た目こそ狼と似ているものの、その生態は全く違うものだということがわかりましたね。
同じイヌ科の仲間なのに、どうしてこんなにも生態が違ってくるのか、とても不思議です。
(ライター もんぷち)