アメリカアカオオカミの足跡を見た事がありますか?脚の指の跡がくっきり残り、細長いように見えます。

獲物を追いかける事ができるように足裏は硬く、爪先が長いような独特の跡がつきます。

このような足跡を残す動物であるアメリカアカオオカミは、どんなオオカミなのでしょうか。

アメリカアカオオカミについて

アメリカアカオオカミは、アメリカ合衆国の東部にあるノースカロライナ州の保護区にいます。

棲息している個体は一度保護し、その個体を野生化させたものとされています。

 

アメリカアカオオカミは食肉(ネコ)目イヌ科イヌ属のオオカミです。

英語ではred wolf、学名はcanis rufusです。北米大陸に棲息するとみられるオオカミは数種います。

 

アメリカアカオオカミの数が減った原因のひとつには、家畜を襲うオオカミを人間が狩猟によって駆逐した事だといわれます。

北米にいるオオカミは、一般にハイイロオオカミ、アメリカ東海岸に棲むアメリカアカオオカミ、それからカナダに近い土地に棲むとされるオオカミなどです。

細かく分けようとするともっと多いのですが、長く野生に暮らしていたオオカミの分類はよく分からないようです。

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アメリカアカオオカミの特徴と生態

アメリカアカオオカミの成獣の体の大きさは約1m~1,3m、肩高60cm~80cmほど、尾は25~42cmほどです。

名前に赤がつきますが、体毛は薄いグレーや黒、褐色である事が多く、体つきは細めで背中に黒い体毛をもちます。

 

俊敏な印象のオオカミです。他のオオカミよりも耳が縦に長いようです。

一般にみられるオオカミたちは体重が50kgを超える事もあるようですが、アメリカアカオオカミは大きいもので40kgくらいだそうです。

 

夜行性で動物食です。ウサギやシカなどの哺乳類、昆虫類、ザリガニなど、動物の死骸などを食べます。

冬の間は日中に行動し、餌を探し回ります。

 

群れのような形態で棲息する事が多く、森林の中の洞窟などに巣穴を作ります。

繁殖期は冬です。オオカミは胎生です。一時に10頭ほどの赤子を出産します。

性成熟まで2~4年ほどです。寿命は長いもので15年ほどと考えられています。

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一度絶滅したアメリカアカオオカミ

アメリカ南東部に棲息していたといわれるアメリカアカオオカミの野生での個体数は1960年くらいから激減したとされます。

絶滅宣言がされたのは1980年の事で、その数年後には保護活動が始められたと言われています。

 

しかし、もともとアメリカに棲息していたオオカミたちが野生下でどのような生活をしていたかはあまりはっきりしていません。

オオカミたちは人間の家畜を襲い、害をなすものだからです。

 

今ではアメリカアカオオカミはひとつの種のように扱われる事が多いのですが、オオカミとコヨーテは自然に交雑しているのではないかと長年言われていました。

最近になってDNA解析などでより詳しい事柄が分かってきたようですが、1980年代に保護活動が始まったアメリカアカオオカミは野生個体が絶滅したとされてから少なくとも20年以上は経っており、現存するアメリカアカオオカミは保護のもとで繁殖されたアメリカアカオオカミたちという事になります。

 

冬の餌の減る時期になると、森林などに棲息する野生の動物たちは皆餌に困ります。

そのため、人間の飼う家畜を襲うようになったとされます。しかし、野生下ではオオカミの食べ残しにクマなどが群がる事もあったようです。

アメリカアカオオカミについて

オオカミの仲間は北半球に広く分布しているとされます。

絶滅した種も多くいるようですが、アメリカアカオオカミは比較的早期に絶滅が宣言され紆余曲折はあるものの保護対象となり、個体数がやや増えたという稀なオオカミのようです。

アメリカアカオオカミの最も分かりやすい特徴は、一度絶滅し、また復活したというところかも知れません。

(ライター:おもち)

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