珍獣に分類されるツチブタ。名前だけ聞くと、皆さんはどんな動物を想像するのでしょうか?
真っ黒で泥まみれになった豚!?土色をした豚のこと!?それとも穴の中で生活する豚のこと?
いいえ、違うんです!じゃあ、その正体は一体・・・・
ツチブタって?
豚のような鼻をもち、カンガルーのような尻尾とウサギのような大きな耳、アリクイ並みの舌の長さ。
キャラクターになりそうなお茶目さと、つかみどころのない不気味さが不思議に魅力て的!?な動物です。
ツチブタは長年研究者を悩ませてきた動物。現在はツチブタ目という独立した分類になっています。
ツチブタの特徴
ツチブタは全長が100~160㎝ほど。体重は65kほどあり、黄色っぽく灰色のつるっとした体をしています。
長い鼻先を持っていてその長さと形はツチブタが土の中にもぐりやすくなっていて、鼻孔は体毛でおおわれています。この体毛は穴を掘り進める時に鼻に土が入らないようにするためだそう。
アフリカの中部以南に生息しています。
穴を掘るのが得意!
ツチブタの前足には4本の指がついていて、鋭い爪がついています。
この前足で土を掘っていくのが得意です。
大好物のアリをゲットする時や、敵から身を隠すときにはもちろん、普段生活する穴も掘ります。穴は3mほどの深さから、大きいと10mほどになるものもあります。
ツチブタは移動しながら、その場所その場所で穴を掘りますので、既に住んでいない穴にコウモリやヤマアラシが住み着いていることもあるのだとか。
ツチブタは耳がいい!
ツチブタの生息地はサバンナの真ん中ですから、とにかく敵が多いことは想像がつきます。
ライオンやチーター、足が速い肉食系の敵に常に囲まれている中、ツチブタのような珍獣が生き残っていくためには、とにかく必死にならなければなりません。
あの大きすぎる耳も、一刻も早く敵の存在を察知するためのもの。聴覚はとても優れています。
頭蓋骨がない!!??
ツチブタの頭蓋骨はとても柔らかく、ちょっと強く衝撃を受けると壊れて、死んでしまいます。
体の大きさのわりに、食べているものはアリや昆虫なので、顎をほとんど使わず、頭蓋骨が発達しなかったと考えられています。
発達しているところと退化しつつあるところのアンバランスさが、過酷な環境の中で生き抜いてきた歴史を感じさせます。
ツチブタは1200万年も前から存在している原始的な草食動物だそうです。
ツチブタのエサ
ツチブタは森林地帯に生息していて、夜行性です。臼歯氏しか持っていないのでアリやシロアリ、イナゴなどが主食です。40㎝ほどの長い舌はアリの巣でアリをゲットするためのものです。
30㎞ほども移動するツチブタ!?
ツチブタは夜行性で夜の間に2~5㎞ほど移動してエサをとります。
行った先々で穴を掘り、何となく同じ地域にツチブタの穴があるのですが、基本的には単独行動をしています。子育てもメスが一匹で穴の中で行うそうです。一夫多妻で、一回の出産で一匹を生むのが標準です。
記録としては、一晩に30㎞移動したこともあるのだとか。
ツチブタのいる動物園
このちょっと不気味さを感じるツチブタは日本の動物園にもいます。
穴から出てくると鼻を地面につけてジグザグに動き、エサのあるところを探し当てるのだそう。
耳や鼻の他にもまつ毛も長いので、そばでじっくりと見ることできる人は観察してみてください!
上野動物園と東山動物園です。興味のある方はぜひ、見に行ってみてくださいね!
そうそう、何かに似ている似ていると思っていましたが、ツチブタってムーミンに登場するスニフですね!動きや細かいところは違いますが、顔の形や耳の大きさはまるでツチブタ!色も土色!?だし。
つかえていたものがスーッと通った感じです。
(ライター ナオ)
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