ハンガリーの国宝になっているマンガリッツァとういう美しい豚を知っていますか?
グルメな人なら一度は聞いたことがある名前かもしれません。
地元ではウーリーピッブ=羊毛の豚と呼ばれています。
マンガリッツァって?
200年前にハンガリーで登場したちょっと特殊な豚です
羊のようにモコモコの毛が生えていて、どこか気品を感じる豚。
金色や、黒や赤などの毛並みを持っていて、鼻は黒い淵をしています。
ヒヅメもしっかりとしていて、生まれたばかりの赤ちゃんはまるでうり坊のような縞模様。
大人になるにつれ、フワフワとした毛が生えてきます。
実は、マンガリッツァは昔、ヨーロッパでラードなどの脂製品を作るために品種改良された豚。マンガリッツァの体の7割が脂肪という驚異の豚なんです。
また、美味しいことで知られるイベリコ豚と同じ起源を持っています。
マンガリッツァの飼育
マンガリッツァは普段、ドナウ川周辺の平原で半野生の状態で飼育されています。
夏はハンガリーの強い日差しの中に放牧され、冬もマイナス30度にもなる極寒の状態のまま、その時期を耐え忍びます。
マンガリッツァの特徴である、羊のようなふわふわの毛は、夏には強い日差しを避け、風通しの良い涼しいコートになり、冬は寒さから身を守るための暖かいガウンの役割を果たしているというわけです。
豚舎などで飼育されているのではなく、半野生の状態で放牧されていて、餌も自然のドングリだったり、カボチャだったり、テンサイだったりと人口飼料で無理やり太っているわけではないのでストレスのない状態でのびのびと生活しているんです。
寒さの中で生命を維持するために自然に蓄えられた脂肪は上質で、とてもさらっとしています。どこか野生的な自然の旨みが特徴ですが、決して猪などのように臭みがあるわけではないことが、多くの人に好まれている理由のひとつ。
一時のブームを経て、20世紀に入ると、赤みがもてはやされるようになり、マンガリッツァの数は激減します。元々希少だったマンガリッツァは、更に手に入りにくい肉となりました。
1991年には、その数が198頭ほどにまでなったそうです。その後5万頭まで復活し、危機を感じたハンガリー政府は2004年にはハンガリーの国宝として大事に保護することにしたのです。
マンガリッツァの肉
マンガリッツァ豚の肉は脂肪たっぷりですが、体に溜まりやすいと言われる飽和脂肪酸がとても少ないためにさっぱりとしています。
また、普通の豚肉よりも40~55%もビタミンやチアミン、リボフラビンなどが豊富で、亜鉛や鉄も多く、栄養価満点!!酸化防止酵素がたっぷりと入っているので、美容にも最高なんです。
世中の高級レストランなどと取引され、東京でもリッツカールトンホテルで食べることができます。
もともと脂肪率が高い品種なので、霜降り率も高く、赤身部分も濃い色をしているので、まるで霜降り和牛のような味わい。
サラミや生ハムを作れば極上品が出来上がり、140年も続くレシピで作られているサラミもあるのだとか。
日本でも楽天やアマゾンなどで手に入れることができるようですので、興味のある方はぜひお買い求め下さい。
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ハンガリーでは現在マンガリッツァフェスティバルなどのお祭りも毎年開催されているそうです。
ピック社という会社が日本にも紹介したことから、日本でも耳にするようになりました。
人間の都合で開発され、必要なくなったら捨てられていく―そんな人間の身勝手な行動で一度は絶滅しかけたマンガリッツァ豚。既のところで国宝という見事なステイタスを手入れたという訳です。
見事に復活したマンガリッツァの味わいをぜひ一度試してみたいものです。
(ライター ナオ)
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