動物園やサファリパークなどでもおなじみのラクダ。

長くて分厚い舌を間近で見たことがある人も多いのではないでしょうか?

 

砂漠の民と一緒に行動するラクダは普段一体何を食べて生活しているのでしょうか?

そしてラクダのコブの正体とは!?

知っているようで知らないラクダについて詳しくお話していきます。

ラクダの特徴と生態

ラクダは哺乳類・ウシ目・ラクダ科・ラクダ属に分類される動物の総称。

西アジア原産で背中に1つのコブを持つヒトコブラクダと中央アジア原産で2つのコブを持つフタコブラクダの2種類が現存しています。

主に乾燥地帯で飼育される家畜ですが元の祖先は北アメリカ大陸で進化したものと言われています。

200~300万年前にユーラシア大陸へと移動して現在のラクダへと進化したと言われています。

 

ラクダの背中のコブには脂肪が入っていて、エネルギーを蓄えるという目的だけではなく断熱材として作用する他、汗をほとんどかかないラクダの体温が日射によって上昇しすぎるのを防ぐ役割もあり、体の皮下脂肪のほとんどが背中に集中しているということになります。

 

出生直後のラクダにはコブはなく、背中の将来こぶになる部分は皮膚がたるんだ状態です。

膝の皮膚は分厚く発達していて、断熱性に優れ、ここを接地して座れば高温に熱された地面の影響を受けることなく休むことができます。

乾燥地帯に適応しているラクダは水を数日間飲まずに堪えることが出来明日が、飲むときには一度に80lもの量を飲むことができ、その水は塩分濃度の高い塩水でも可能です。

水が蓄えられていると言われているコブの中身は脂肪で、実際の水分は血液中に存在しています。

 

通常は血液中の水分が多すぎるとその水が赤血球中に浸透して、その圧力で赤血球が破裂していまいますがラクダの場合は赤血球が水分を吸収して2倍に膨れ上がっても破裂しません。

 

また水を摂取しにくい環境においては体温を上げて極力水bンの排出を防いだり、尿の量を最小限にするために濃度の高い尿を排出したりします。

砂塵などを避けるために鼻の穴を閉じることができ、眼は長いまつ毛で保護され、哺乳類には珍しく眼球を保護する透明の膜である瞬膜を完全な形で持っています。

 

蹄は小さく、指は2本のみ。もともと5本あったものの中指と薬指が残ったもので、退化した蹄に代わって脚の裏は皮膚組織が膨らんでクッション状に発達しています。

これは歩く時に地面に対する圧力を分散させて、脚が砂にめり込まないようにするための構造。雪上靴屋かんじきと同じ役割を持っています。

ラクダの餌

ラクダは草食動物です。野生下では木の葉や草、豆、トウモロコシなどを主食としていますがサボテンを食べることもあります。

しかし、先述したようにコブに大量の子房を蓄えているので水分や食べ物を摂取しなくても2~3ヵ月は平気で生活することもできます。

 

遊牧民族と共に生活するラクダではコブの栄養を使い切ってしまい、コブがしぼんで曲がって垂れてしまうようなラクダを見かけることもありますが、水分や栄養を補給するとコブはもとに戻ります。

 

ラクダの口はまるでゴムのようになっているのでトゲのあるサボテンのような植物も食べてもけがをすることはありませんアカシアの木などは植物全体がトゲで覆われていますが、そんな植物も平気で食すことができます。

 

一方飼育したのでラクダの主食は固形ペレットや干し草等が多いようです。

他にも人参や芋、白菜などの野菜やパンなどを食べることもあります。

 

主食としているセルロースの多い植物は細胞壁で覆われているので消化に時間がかかり、何度もすり潰す必要があり、反芻して消化することが必要です。

ラクダの体には乾燥地帯で生き抜くための沢山の秘密が隠されているのです。

(ライター ナオ)