マーラはウサギのようなネズミ。テンジクネズミの最大種と言われている可愛らしい動物です。
直射日光を避けるための長いまつ毛が愛らしく、穏やかな性格で、日本の動物園でも多く飼育されている、パタゴニアの野兎です。
マーラって?
マーラはアルゼンチンの固有種で南米のパンパに生息しています。
体長は50~75㎝ほど。体重は8~9kほどです。ウサギのようなネズミのような可愛さが日本でも人気です。
マーラの生態
マーラは茶色っぽい毛で全体が覆われていますが、お腹部分は白っぽい色をしています。
脚は長く跳躍力に優れていて、1.6mほどの高さを跳ぶことができるそうです。
目や耳も大きく、敵の情報を素早くキャッチできます。
昼行性で、主にイネ科の草などを食します。
普段は単独か夫婦ペアで行動することが多いですが、繁殖期には巣穴で10ペア以上がともに共同生活をします。
地面に穴を掘って、そこをねぐらとし、子育ても巣穴で行います。
メスとオスのペアは一夫一婦制で、生涯ペアを解消することなく寄り添います。
オスはメスに従うかのように行動し、メスが巣穴で授乳している時などは見張り役として巣穴付近の警備に当たります。
オス同士は激しく争うこともあるようですが、基本的に穏やかな性格です。
巣穴は自分で掘ることもありますが、他の動物が使っていた穴を利用することもあります。
メスは90~110日の妊娠期間を経て、飼育下では1~4頭、野生の状態では大抵1頭の赤ちゃんを出産します。
生まれたての赤ちゃんは体重が500gほど。生まれてすぐに歩くことができますが4か月ほどは巣穴でお母さんのおっぱいを飲みながら成長します。
メスは巣穴の外にでて、エサをとりに行きますが、その時の移動距離はかなりなもの。
彼らの学名はDolichotis patagonumといい、長い距離を走るという意味があり、時速30㎞ほどを約1時間走ることができるそうです。
巣穴の外で休憩するときは前足を前に伸ばし、ゆったりとくつろいで休憩します。
この行動は草食動物には珍しい行動で、敵が来た時にすぐに逃げられるように折りたたんで待機しているのが普通。
のんびりした性格が表れている特徴的な行動です。
絶滅の危機にあるマーラ
マーラの数は年々減少していて、その理由には生活環境の破壊が挙げられます。IUCNでは準絶滅危惧種としてレッドリストにラインナップされています。
日本の動物園でマーラに会いに行こう!
いろいろな動物園で飼育されているマーラですが、那須どうぶつ王国では、カピバラとマーラの同時展示が見られるようですよ。
どちらも南米の生き物なので同じブースで飼われています。
マーラののんびりとした生態がゆっくり観察できるはず。運が良ければ、マーラの赤ちゃんも見ることができるかもしれません。
成長しても目が可愛いマーラですから、子供の時のマーラの目の大きくクリクリした様子は、ひときわです。
自宅でマーラを飼える?
一般の住宅でマーラを飼っている方もいらっしゃるよう。
値段は20~30万円程度。
エサは草や根菜類などを与えると良いようですが・・・
排泄のしつけができないので、家の中での放し飼いは不可能のようです。家じゅう糞尿だらけになってしまいます。
また、ゲージに入れるとしても、動きは激しく、ウサギや猫などのような運動量では足りないので、大きめのゲージが必要になります。
小さいゲージに入れられて野生の本能を制御してしまうと、それはマーラにとってはとてもつらいお仕置きのようなもの。ストレスがかかって病気になることも考えられます。
広い庭などを持っていて、十分な運動スペースを確保できる方が飼われると良いかもしれませんね。
それ以外の方はぜひ、動物園で可愛いマーラを楽しんでください!
(ライター ナオ)