イタチのような胴長で可愛らしい「オコジョ」。
そんなオコジョとそっくりな生き物「イイズナ」を知っていますか?
ちょっと写真を見ただけでは見分けがつかないほどソックリなのですが、彼らを見分けるにはどうしたらいいのでしょうか。
今回はそれぞれの生態について見た後、見分け方についてもまとめていきたいと思います。
オコジョの生態
オコジョはイタチ科の動物で、ヨーロッパ中北部、アジア中北部、北米に生息しています。
日本でも、本州中部~北部に分布。
イタチのような胴長の体型ですが、イタチと違って短足ではなく後足が比較的長いのが特徴です。
そのため跳躍力にも優れており、生粋のハンター気質。
気性はとても荒く、自分よりも大きな獲物を捕食することもあります。
冬と夏で毛色が変わり、冬は全身が真っ白、夏は下あごから腹部にかけてが白でそれ以外は茶褐色。
イイズナの生態
イイズナも同じくイタチ科の動物であり、北米、北アフリカ、ユーラシア大陸中部から北部にかけて分布。
日本では北海道・青森県・岩手県・秋田県で生息が確認されています。
イイズナは「世界最小の肉食動物」と呼ばれているだけあって、大きさは14~26㎝ほどととても小柄。
冬は美しい純白の毛に全身覆われていますが、夏になると背中が茶色、お腹が白というカラーリングに大変身します。
主な餌はネズミ、小鳥、昆虫、カエルなどの両生類、死肉など。
小さく可愛らしいイイズナですが、そんな姿とは裏腹に気性は荒く、動きも俊敏です。
オコジョとイイズナの違い
「寒い地方に棲んでいる」「イタチ科」「冬は白く夏は茶色い」など様々な共通点のあるオコジョとイイズナですが、違う点もあります。
尾
全身がよく似ている両者ですが、最も見分けやすいポイントは「尾」です。
まず長さが全く違い、イイズナは長くても3㎝ほどしかないのに対し、オコジョの尾は5~7㎝と倍近い長さがあります。
また、オコジョは尾の先が年間を通して黒い毛なのに対し、イイズナは黒くありません。
なので、尾を見れば一発で見分けることが可能。
生息地
同じく寒い地方に生息する生き物ではありますが、その生息地はきちんと棲み分けられています。
オコジョは標高1200m以上の山岳地帯、イイズナは標高の高くない森林や平野などに生息。
なんとなくオコジョの方が身近な生き物な感じがしていましたが、こうしてみるとイイズナの方が遭遇率は高そうですね。
う~ん…一生懸命違いを調べてはみましたが、決定的な違いと言えばこの二つくらいしか見つかりませんでした。
「オコジョの方が大きい」という情報もあるのですが、日本に限って言えば国内に生息するホンドオコジョもエゾオコジョも小さめで20㎝前後。
個体差もあることを考えると、見分けられるほどの大きな差はないかと思います。
まぁ同じイタチ科の仲間で、生息地も生態も似通っているのでは、大きな違いがないことも納得ではありますが。
ペットとして飼える?
オコジョもイイズナもとても可愛らしいので、ぜひペットとして飼いたい!と思う人も多いことでしょう。
しかし残念ながら、どちらもペットとして飼育することは難しいです。
なぜなら、どちらも生息数が減少して絶滅の危機に瀕しており、ペットとして飼育したり捕まえたりすることが禁止されているからです。
怪我などをした個体を特別に保護する場合は別として、ただ単に飼育するというのは不可能。
諦めて、フェレットあたりで手を打ってください。
オコジョとイイズナの違いについてのまとめ
オコジョとイイズナは、本当によく似ている生き物です。
他にも何だか似ているな~と思う生き物はたくさんいますが、ここまで違いが少ないのは珍しいですね。
まぁそれでも「しっぽの先が黒いかどうか」という、一発で見極められる違いがあるってのも面白いですが。
もしもどこかで見かけることがあったら、見分けに挑戦してみてください。
(ライター もんぷち)