ガガンボモドキはガガンボに擬態している昆虫。
自分よりも弱いガガンボに擬態することによって、敵を油断させるという、なんとも戦略的奴。
今回はそんなガガンボとガガンボモドキの違いについてお話しします。
ガガンボの特徴
ガガンボは双翅目糸角亜目ガガンボ科に属する昆虫です。
世界中に分布する昆虫で、日本でもかなりの数の種類を目にすることが出来ます。
日本全土に広く分布していいて、体長は最大のもので35㎜、翅の中が差は40㎜を超える種類もいます。
小型の種類では体長が約4~4㎜程度、翅の長さは5~6㎜程度で、イネの大害虫として知られるキリウジガガンボは体長が約14~18㎜、翅の長さは約18~20㎜の中型種です。
体の色は黒色、灰褐色等様々。
成虫の形態は蚊を一回り大きくしたような感じの種類が多く、長い脚を持っています。
蚊と勘違いされることもありますが、人を刺したり、吸血したりすることはなく、体も貧弱です。
飛行速度も遅く、光に誘われる性質が強いので、夜間は屋内に入ってくることもあります。
幼虫は体長が10~25㎜の種類のものが多く、中には50㎜に達するものもあります。
体の色は灰白色、黄緑色等様々で、体は頭部を除いて全体的に柔らかい膜質をしています。
イモ虫状で肢はなく、腹部の末端には来吸盤があって、その周りにいくつかの柔らかい肉質の突起がついています。
幼虫や土中や水中で生活し、土の中で植物の根を食べるので害虫にもなります。
生きている状態の植物だけでなく、死んだ植物も栄養源としていて、成虫は主に花の蜜を主食としています。
寿命は10日ほど。
日本各地に様々な地方名があり、カトンボ、アシナガトンボ、カゲロウ、ショウジハリなど。
また、幼虫はイネノネキリムシなどと呼ばれることもあります。
ガガンボの生態
ガガンボは通常、年1世代で初夏に産卵して卵は役2週間程度で孵化して幼虫になります。
幼虫の期間は種類や生活環境によって変わってきます。
幼虫は革の上流から下流までの広い範囲に生息していて、水中で産卵し、川の落ち葉の下などに生息していますが、ミカドガガンボの幼虫は山地の湧水や渓流付近の土砂の中に棲んでいます。
オスはメスよりも早く孵化し、舞い踊りながらメスの羽化を待ち、体が湿っているような若いメスでも捕まえて交尾します。
メスは水中や湿地、樹林の中の湿った苔類などに産卵管を差し込んで卵を産みます。
食性は幼虫が根の茎や株を食べ、成虫は花の蜜を吸いますが、エゾホソガガンボは畑や草むら、牧場などの比較的乾いた土の中に棲み、腐った植物を食べることも有名です。
ガガンボの天敵
ガガンボの天敵は寄生バエ類で、幼虫が寄生されます。
蛹の天敵としては冬虫夏草となる寄生菌の報告があり、その他鳥類、スズメバチ、カマキリなどが挙げられます。
ガガンボモドキの特徴
ガガンボモドキはソロアゲムシ目ガガンボモドキ科の昆虫の総称。
ガガンボに似た華奢な虫ですが実は肉食性で、日本では寒冷地にのみ見られます。
肢が長く、複眼が大きく発達しています。付属肢の先端にはとてもよく発達した鎌のような爪が一本あり、これにより獲物をしっかりと抑え込むことが出来ます。
ガガンボモドキの習性で最も特徴的でなのは交尾の際にオスがメスに獲物をプレゼントする習性。
メスはオスからプレゼントされるエサの質や量で交尾時間を決めたり、交尾の有無を決めたりしているのだそう。
人間でいえば、高い指輪をくれる財力のある男性と結婚するようなもの!?
メスはオスからエサをもらうことによってクモなどにつかまるリスクを減らしているのです。
ガガンボとガガンボモドキの違い
ガガンボとガガンボモドキの違いは食性。
ガガンボは花の蜜など草食だが、ガガンボモドキは肉食であること。
また、見た目の違いとしてはガガンボが羽が1対2枚なのに対し、ガガンボモドキは2対4枚の翅があるということ。
(ライター ナオ)