「ハリモグラ」と「ハリネズミ」。
どちらもよく似ている生き物なので、もしかしたら同じ動物だと思っている人もいるかもしれません。
しかし彼らはぱっと見の印象こそ似ているものの、生態や体の造りなど違う点も多々あります。
そこで今回は、そんなハリモグラとハリネズミの違いや見分け方などについて、まとめてみました。
ハリモグラとハリネズミは何が違う?
彼らはよく似た見た目をしていますから、同じような種類の動物だと思われがち。
実際、「ハリモグラってハリネズミの一種でしょ?」なんて言っているのを聞いたこともあります。
しかし分類上では、ハリネズミは「ハリネズミ目」、ハリモグラはなんと「カモノハシ目」の一種なんです!
分類からして全く別の生き物ということですね。
また、名前にモグラとついていますが、モグラの仲間でもありません。
ちなみにハリネズミもネズミの仲間ではなく、どちらかというとハリネズミの方がモグラに近いようです。
なんだかややこしいですね。
そして分類上のみならず、生態の面でも様々な相違点があります。
まずは昼行性か夜行性かということ。
ハリネズミは夜行性で活動時間はほぼ深夜、明るいところは苦手で暗いところが好きです。
逆にハリモグラは基本的に昼行性であり、夜に活動するのは昼間がよっぽど暑い時期のみ。
また食性も異なり、ハリモグラがアリやシロアリを主な餌とするのに対し、ハリネズミは雑食性で昆虫、ミミズ、果実、種子、小型哺乳類など様々なものを餌とします。
更に最も大きな違いは、「出産方法」にあります。
ハリネズミはほとんどの哺乳類と同様に胎生なのですが、ハリモグラはカモノハシの仲間なだけあって、卵生なのです。
カモノハシと同様、哺乳類でありながら卵を産むという特殊な生態を見れば、どう考えてもハリネズミとは違う生き物だということはわかりますね。
ハリモグラとハリネズミの見分け方
さて、生態や分類上の違いがわかったところで、次に見た目の違いについて見ていきましょう。
写真で簡単に見た感じでは、色が白っぽいか黒っぽいかしか違いが判らないかもしれませんが…。
(ちなみに黒っぽいハリネズミもいるので、色で見分けることはできませんよ。)
彼らの違について、詳しく紹介したいと思います。
大きさ
近頃ハリネズミはペットとして人気が出てきていますが、その理由の一つは手のひらサイズの小さな体です。
体長は15~20㎝ほどで、体重は400~700gほど。
それに対してハリモグラは体長30~45㎝、体重はなんと2~7kg!
体重だけで見れば10倍近い差があるなんて、ビックリですね。
吻の長さ
ハリネズミはツンと尖った吻が特徴的で可愛らしいですよね。
ハリモグラも吻が特徴的ではあるのですが、尖っているというよりも「長い嘴」のような感じです。
吻が「長い」のは圧倒的にハリモグラの方ですね。
また、ハリネズミはパカッと口を開くことができますが(あくびをしているところなど、悶えそうなほど可愛らしいですよね!)、ハリモグラは5㎜ほどしか口を開くことができません。
針の太さ
体の大きさの違いというのももちろんありますが、針の太さもハリモグラの方が太くて危険です。
ハリネズミの針も危険ではあるのですが、比較的細くて短いため気を付ければ素手で触ることも難しくはありません。
しかしハリモグラは素手で触るのは躊躇してしまいますね。
ハリネズミとハリモグラの違いについてのまとめ
生態など一つ一つ見ると違う生き物だというのはハッキリわかりますが、全く違う種類の生き物なのに、どうしてあそこまで見た目が似通っているのかが不思議ですね。
大きさなど大きく異なる点も多いので、見間違えるということは無さそうですが…。
ハリネズミはペットショップでも見かけますし、ハリモグラも動物園などに行ってじっくりと観察してみてはどうでしょうか。
(ライター もんぷち)