初夏になるとあちこちで飛び回る蝶や蛾。
蝶はいいけど蛾はちょっと苦手という人も多いのではないでしょうか。
でも、この蝶と蛾は実は同じチョウ目の昆虫なんです。
蝶の生態
蝶は標高が6000メートルを超える高山帯を除いた全世界に生息しています。
蝶は森の中や草原、高山や、畑など色々なところで見かけますよね。
全世界では17,600種類ほどいて、日本では250種ほどが確認されています。
蝶は完全変態といって、幼虫から繭を作り蛹を経て成虫になっていく変態の仕方をします。
ちなみに不完全変態は幼虫が直接成虫に変わっていく形をいい、カマキリやバッタ、ゴキブリなどがこれに当てはまります。
外見で親しみを込めて、子供達にはイモムシやケムシやオムシなどと表現されることが多い蝶たち。
幼虫はその種類ごとで特定の植物を餌にすることが多いようですが、例外もあり、シジミチョウの幼虫などは雑食性です。
私たちに染みのあるモンシロチョウはキャベツなどのアブラナ科の植物に卵を産み、幼虫はその葉を食べて成長します。
日本ではアゲハ蝶といえば、ナミアゲハです。虫取り好きな子供達が探すイモムシはこれ!!
ナミアゲハはミカン科の植物を好んで産卵します。
ナミアゲハの幼虫は他の幼虫とちょっと違っていて、触覚に臭角という一対の角が付いていて、人が触ったり、敵に攻撃されるとテルペノイドという臭いのきつい成分を主とした液体をだします。
コレが手に付くと、とても臭い!!
虫取り小僧たちの大騒ぎの素になるというわけ。
蛾の生態
蛾は蝶と同じく、完全変態をして成虫になります。
イモムシやケムシなどはもちろん、面白い動きをするシャクトリムシなども蛾の幼虫です。
蛾の種類は蝶よりもはるかに多く、その数は蝶の20~30倍の6000種ほどといわれています。
世界各国で珍しい蛾も生息していて、映画のゴジラに出てくるモスラのモデルになったアトラス・モスという蛾は体調が30㎝ほどになるものもいるとか。
これは何と日本の与那国にも生息しているんです!!世界最大級の蛾が、実は日本に生息しているのだから驚きですよね。
蛾の幼虫は蝶と同じく、種類によって食べるものが違います。
親である蛾はもちろん、自分たちの子供がエサを食べる場所に卵を産み付けることになるわけですが、その場所は実に多彩です。
例えばヒグラシなどのセミに寄生するものや、クヌギやコナラの樹液を餌とする蛾もいます。
他にもイモムシやミツバチを捕食する蛾もいます。
蛾と蝶の見分け方
両方とも多くの種類が存在していて、種類によって行動が異なるので、一概に蝶と蛾を見分ける方法はというと、難しいのですが、一般的な蝶と蛾の特徴でおおまかに比べてみます。
まずは幼虫時期。蝶は卵を密集して生むことがないので、幼虫の出現も一か所に固まっているようなことはありません。
逆に蛾は一か所に大量の卵を産み付けるので、羽化したときにはちょっとグロテスクな光景になるわけです。
成虫になってからはというと、蝶は昼間に富んでいることが多く、蛾は夜行性です。
外套の明かりにエサを求めて群がっているのはほぼ蛾と考えられます。
昼間に富んでいる姿を見たら、よく観察してみましょう。
どこかに止まった時に蛾は羽を伏せるようにして止まりますが、蝶は羽をぱたんと閉じた状態で止まります。
捕まえた時によく観察するポイントは2つ。
触覚とお腹部分です。
蛾の触角は先端に行くにしたがってしゅっと細くなっていたり、わずかに平らになっているものが多いのですが、蝶の場合は先端がマッチ棒のようになっています。
また、腹部は蛾がぷっくりとしていて大き目、調の場合は細くて小さめです。
印象的には蝶は花で蛾は木から落ちた果物などの回りにいることが多いように思いますが、成虫の蛾で花の蜜を吸うものもいるので、そのあたりは区別する手段としてはあまり有効ではないということですね。
蝶も蛾も元をただせば同じ種類。
あまり蛾を毛嫌いせずにじっくり観察してみて下さいね。
(ライター ナオ)