日本に生息する危険なスズメバチの中にはオオスズメバチとキイロスズメバチという紛らわしい2種類のスズメバチがいます。
このハチたちの違いはどこにあるのでしょう。
また、私たちが良く見かけるハチはどちらなのでしょうか。
今回はオオスズメバチとキイロスズメバチの違いについてまとめてみます。
オオスズメバチの特徴と生態
オオスズメバチはハチ目スズメバチ科スズメバチ亜科スズメバチ属に分類される昆虫の一種です。
インドから東南アジア、東アジアにかけて広く分布しています。
体長は女王バチが40~55㎜、働きバチが27~40㎜、オスバチが27~45㎜で頭部はオレンジ色をしていて、胸部は黒色、腹部は黄色と黒色の縞模様が特徴的です。翅は茶色でオスバチは毒針を持っていません。
木の根元などの土中、樹洞などのエイさ空間に枯れ木など殻集めた繊維を唾液のタンパク質で固めて和紙のようにし、六角形を作って巣を作ります。
日本に生息するハチ類の中でも最も強力な毒を持ち、かつ攻撃性も高いのでとても危険なハチです。
毒液の中には警戒フェロモンも含まれていて、巣の危機を仲間に伝えるという役割も持っています。
オオスズメバチの攻撃は大きな顎で噛みつき、毒針から毒を噴射し、また毒針を直接注入するという3つの方法があります。毒液が目に入ると失明の危険性もあるほど強力な毒液で、針も抜くことさえできれば何度でも使うことができます。
キイロスズメバチの特徴と生態
キイロスズメバチは女王バチが25~28㎜、働きバチが17から24㎜、オスバチが28㎜程度。凶暴で警戒心が強く、神経質で敵に対して執念深い性質を持っています。
斑紋の黄橙色部分が広い中型のスズメバチで、分布は北海道から九州まで生息しています。
光が当たると黄色の部分がオレンジ色に見えることもあります。北海道以北に分布するケブカスズメバチの亜種とされ、日本に分布するスズメバチ属の中では最も小型ですが、巣の規模は見えるところに巣を作る種類の中では巣は最大になります。
巣は大きい時で直径1mにもなり、ハチの数も10000匹に達します。屋根裏や壁の中などの閉鎖された空間に巣を作った後に手狭になると開けた場所に引っ越しをしたり、初めから軒下などの開けた空間に巣を作ることがあります
様々な昆虫を襲って食べ、樹液にもやってきます。攻撃性が高く、特に晩夏から秋にかけては危険なハチで日本においてはかなり被害例もあるハチです。
オオスズメバチとキイロスズメバチの違い
オオスズメバチとキイロスズメバチの違いはその大きさです。女王バチや働きバチ、オスバチのどれを比べてもオオスズメバチの方が大きく、顔の形も違っています。
見た目にも名前の通りキイロスズメバチの方が黄色く見えますが、これは比べてみないと一概には言えないことかもしれません。
オオスズメバチの尾端部は黄色く、腹の二本目の縞がとても細いのが特徴。キイロスズメバチは縞模様がはっきりしていないものも多く、まばらな金色の毛が全体を覆います。
巣を作る場所も違いますし、巣の形状も違っています。
オオスズメバチは土の中に巣を作りますが、キイロスズメバチは軒先や壁の中などに巣を作ります。
巣の形状もオオスズメバチは外からは見えず、底部分は剥き出しになっているのに対し、キイロスズメバチは大きな球形の巣を作ります。
オオスズメバチの巣を外から発見することはありません。
刺傷の被害が最も多いのがキイロスズメバチですが、毒性という点でいうとオオスズメバチの方が強いので、アナフィラキシーショックなどを除けば非常に危険が高いのがオオスズメバチです。
(ライター ナオ)