人間も季節の変わり目には衣替えをしますが、鳥の中にも夏と冬、オスとメスで全く見た目が違う鳥がいるんです。
それが「ノビタキ」という鳥。
季節や性別によって様々な変化を遂げるノビタキとは、一体どのような鳥なのでしょうか。
今回はノビタキについて詳しくまとめてみたいと思います。
ノビタキってどんな鳥?
ノビタキはユーラシア大陸の中部・西部に生息している鳥です。
日本では夏の間、本州の中部以北で見ることができます。
じゃあ中部以南では見れないのか…と残念に思われるかもしれませんが、大丈夫。
中部以南でも渡り途中のノビタキを見ることができますよ。
草地や田畑などで休んでいることが多いので、わざわざ探しに行かなくても遭遇するかもしれませんね。
体長は約13cmと、スズメよりも小さい小型の鳥です。
しかし見た目は「別バージョンのカラーリングをしたスズメ」という感じで、色以外はどことなくスズメに似ています。
初めにノビタキは季節や性別によってカラーリングが違うと述べましたが、ではどのような違いがあるのでしょうか。
まずは成鳥のオスから見ていきましょう。
成鳥のオスは頭部・喉・翼(白い斑紋あり)・背中・尾が黒く、首周りから腹部にかけては白で、胸元だけオレンジがかっています。
この白黒の可愛らしいカラーリングは夏羽の間だけで、冬羽は全体的に茶色がかっており目元や首回りだけ黒色が残ります。
メスの成鳥の夏羽はオスの冬羽とよく似ています。
頭から背中にかけて上面は黄褐色、下面は茶色がかっており、胸から腰にかけては薄いオレンジです。
メスも冬羽になると全体的に茶色がかったオレンジ色になりますが、喉元が白いのがオスとの違い。
さらに幼鳥の間はオスであってもメスの成鳥に似た色合いで、翼のふちがくっきりとした白色なのが特徴です。
このように、同じ鳥とは思えないほど季節や性別、年齢によって見た目が違うので、見かけてもすぐには「これがノビタキだ!」とわからないかもしれませんね。
ノビタキの鳴き声
ノビタキは5月上旬から鳴き声を聞くことができます。
鳴き声は「ピーチョチョー」「チュチューチュリリリ」という感じで、小鳥らしい可愛く控えめな鳴き方です。
見た目とすごくマッチしていますね。
6月中旬には鳴き止んでしまうので、生の鳴き声が聞きたいという人はしっかりタイミングを見計らってノビタキを探しに行きましょう。
長い草や飛び出た杭の先端、電線の上など見つけやすい場所にとまっていることが多いので、見つけやすいかと思います。
山や森の中に棲んでいて見つけにくい鳥が多い中、ノビタキはサービス精神のある素晴らしい鳥ですね!
というか、草の上にとまるなんてどんだけ軽いんだ…。
しかしスズメやモズなど「同じ時期に同じような場所に生息する似たような鳥」もいるため、ノビタキの特徴をよく覚えておいて見分けられるようにしてくださいね。
地鳴きは「ジャッジャッ」というウグイスの地鳴きに近い鳴き方をします。
8月には親鳥と巣だった雛が地鳴きで鳴き合うのを聞くことができます。
草原内を移動しながら鳴くので、ノビタキがいそうなところを見つけたら耳を澄ませてみてください。
ノビタキ まとめ
ノビタキは漢字で「野鶲」と書くのですが、その名の通り見晴らしのいい開けた「野」を好む鳥です。
そのため田園や河川の堤防など私たちの身近なところで見かけることができます。
身近な鳥でも、知らなければ全部「スズメかな?」で終わらせてしまいますよね。
これを機に、身の回りの野鳥に興味をもってみてはいかがでしょう。
私もスズメ以外の鳥も見分けられるように、季節ごとにバードウォッチングをしてみようかなと思います。
(ライター名 もんぷち)
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