みなさんは馬のいななきのような鳴き声をする鳥を知っていますか?
鳥が馬のような鳴き声をするって想像がつかないですよね。
その鳴き声から名前が付けられたのが「コマドリ」です。
「コマ=駒(馬のこと)」でコマドリ。
馬に似た鳴き声とは、一体どのようなものなんでしょうか。
今回はそんなコマドリの生態や鳴き声について紹介していきたいと思います。
コマドリってどんな鳥?
コマドリは九州以北の山地や渓谷などの生息している鳥です。
夏の間だけ日本に渡ってくる鳥で、繁殖が終わり冬になると中国南部へ移動し越冬します。
生息場所は人間が踏み入りにくい場所なので、日常生活で見かけることは少ないですが、渡りの途中で稀に公園などで見かけることも。
主にクモや羽虫などの小さな昆虫やミミズを餌としているため、それらが豊富な水辺によく出没するそうです。
気になる人は、コマドリが渡りを行う時期によく周辺を観察してみてくださいね。
大きさは約14cmで、スズメと同じくらいかやや小さめ。
頭から胸のあたりにかけてとても鮮やかなオレンジ色をしており、丸みを帯びたふっくらとした体型がとてもキュートです。
ちなみに、オレンジ色がとても鮮やかなのがオス、少し淡い色をしているのがメス。
単体で見ると少し迷ってしまいそうですが、オスメス2匹が並んでいれば見分けるのは難しくなさそうです。
オスは縄張り意識が強く、他のオスが縄張りに侵入すると熾烈な争いを繰り広げます。
小さな体に似合わず激しく戦うため、傷だらけになることも少なくないそうです。
人も鳥も、見かけによらないですね。
美しい、コマドリの鳴き声
実はコマドリ、ウグイスやオオルリと並んで「日本三鳴鳥」と言われるほど美しい鳴き声をしているんです。
美しい鳴き声と馬のような鳴き声というのがいまいち結びつかない感じもしますが、一体どんな鳴き声なんでしょうか。
コマドリは小さな体に似合わず、馬のいななきに似た「ヒンカラカラカラ…」という鳴き声でとても力強く鳴きます。
そのため、昔は勇猛な鳥だと武士に好まれていたんだとか。
しかし、個人的な意見を言うと…そんなに馬の鳴き声に似てる?
文字にすると確かに馬っぽい気がしないでもないですが、実際に聞いてみると全く違います。
力強いけれど美しくよく通る鳴き声で、馬と言われてもいまいちピンときませんね。
しかし日本三鳴鳥であるコマドリの鳴き声、実際に生で聞いてみたくなりませんか?
実はコマドリ、バードウォッチングに出掛けて探してみても、鳴き声は聞こえるのに姿が見えないことで有名なんです。
コマドリは暗がりを好み、亜高山帯の渓谷や笹の生い茂った藪などに生息しているため、鳴き声がしても姿を見つけることはとても困難。
巣も藪の中や崖の下など目立たない場所に作ってあるので、巣を見つけて見張る、という手段もなかなかとれません。
可愛らしい姿と美しい鳴き声、どちらもセットで楽しみたいのに、残念です。
昔はよく飼育されていたようですが、現在では野鳥を飼育することはできないので、頑張ってバードウォッチングに出掛けて探すしかないですね。
もし見つけても、勝手に持って帰って飼育したりしてはいけませんよ!
飼いたくなる気持ちはわかりますが…。
まとめ
素晴らしい鳴き声を持っているコマドリですが、現在その数は減少してしまっています。
その理由の一つは、野生のシカによる食害。
シカがコマドリの営巣場所となる笹の藪を根こそぎ食べてしまうからなんです。
それに加えて人間による開発でコマドリの生息地がどんどんなくなってしまっているのも大きな原因。
もしかしたら、いつかコマドリの美しい鳴き声を聞けなくなってしまう日が来るかもしれません。
そうならないように、人間の暮らしと自然のあり方をもっと考えなくてはいけませんね。
(ライター名 もんぷち)
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