幸せを運ぶ「青い鳥」。
あのお話のオチは、結局幸せは気づきにくいけど、自分のすぐ側にあるという内容だったと記憶していますが・・・・
こんなきれいな野鳥がすぐそばで鳴いてくれたら、本当にそれだけでつかの間、幸せ感じちゃうかも!?
青い鳥御三家
日本ではコルリやルリビタキ、そしてオオルリが青い鳥御三家と言われています。
コルリとルリビタキはオオルリより小さく、ルリビタキの青はオオルリやコルリよりもくすんでいますが脇のオレンジ色と相まってきれいに自然の中に調和します。
山の中や川沿いを飛んでいる姿を見かけると、何だかラッキーな気分になることも。
綺麗な青い鳥の正体はオオルリのオス
オオルリは「スズメ目 ヒタキ科 オオルリ属」に分類され、日本には夏に渡米してくる夏の鳥として知られています。
体長は16㎝ほどで翼開時の大きさは27㎝ほど。
オスは尾の部分を含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白い斑点があります。
喉と顔は黒っぽく、お腹の部分は白色です。
オスの綺麗な青色は成鳥になってから出るもので、2~3年はかかり、幼鳥の頃は一部分を除いては茶褐色の地味な色をしています。
メスは頭から尾にかけて茶褐色。喉と腹は白く、胸と脇が茶褐色をしています。
オオルリの棲む場所
オオルリは4月に渡ってくると10月まで日本で過ごします。
南西諸島を除く、北海道から九州までの広い範囲の渓流沿いの良く茂った森林でオオルリの声を聴くことができます。
岩壁や壁に苔で巣を作り、普段は森林内で飛んでいる昆虫やクモなどを捕食し、エサにしています。
縄張りをもち、繁殖期などのさえずりは特に盛んです。
オオルリの鳴き方
オオルリは「地鳴き」と「さえずり」の2種類の鳴き方をすると言われています。
地鳴きは一般的に短く、オスメス問わずに鳴く鳴き方で、仲間同士の情報交換のために音を発していると言われています。「クックックック」と短く鳴くのが特徴です。
一方繁殖時期などには頻繁に聞く「さえずり」。
オスは高い木の枝などに止まってわざと目立つ位置でさえずることが多いようです。
「ピリーリー、ピールリールリ ジィジィ」と緩やかに最後は下がり目で鳴きます。
シーズンの初めころは上手に鳴けない鳥もいて、きれいなさえずりが聞こえるようになるのは夏も半ばになってから。
実際観察した記録によると、渡ってきたばかりのオオルリは鳴かずにじっとしていることも多いのだそう。
新しい環境に慣れるまでの間は鳥とて時間が必要なのかもしれません。
ちなみにオオルリの他に、日本に生息するきれいな声で鳴く鳥としてウグイスやコマドリなどがあげられます。
これら3種類の鳥達は「三大綺麗な声で鳴く鳥」とされているのだそうです。
オオルリの地鳴きとさえずりの使い分け
一年中、雌雄を問わずに発している鳴き声は「地鳴き」と言われますが、それと比較して繁殖時期に頻繁に聞こえるようになるのが「さえずり」です。
この鳴き方の違いは多くの鳥たちの間にも共通していて、ウグイスの「ホーホケキョ」はさえずりで、「チッチッチッチッチ」は地鳴きなど、他の鳥にも種類によっていろいろな鳴き声があるようです。
オオルリは飼えない!?
オオルリはその美しい風貌とさえずりから、かつては飼い鳥として人気がありました。
現在では鳥獣保護法により、愛玩飼育などは禁止されていますが、それでも毎年何件かの違法な飼養が確認されているのだそうです。
国連自然保護連合という世界団体から準絶滅危惧種のとの認定も受けていて、日本でも千葉では重要保護生物として、山形や東京では絶滅危惧Ⅱ類として指定されています。
また、栃木県や八王子市、秩父市などは自治体の鳥として可愛がっています。