みなさんは世界一周旅行に憧れたことはありませんか?
私も宝くじが当たれば、行ってみたいのですが、なかなか当たりませんね。
自力で行くにはお金も時間も全然足りないので、夢のまた夢です。
そんな私たちを尻目に、なんと南極圏から北極圏まで、超長距離移動をする鳥がいるんです!
その名も「キョクアジサシ」。
世界に渡り鳥は数多くいますが、その中でもナンバーワンの飛行距離を誇っているんです。
なぜそんな大移動をするのか…とっても不思議ですよね。
今回はそんなキョクアジサシの超長距離移動の謎に迫っていきたいと思います。
キョクアジサシってどんな鳥?
キョクアジサシは1年の間に北極圏と南極圏を行き来する渡り鳥です。
まさに地球の端から端までの超長距離移動!
生涯のほとんどを移動時間に使ってるのでは…。
飛行機を使ってもかなり時間がかかるのに、身一つでこの距離を移動するなんて、キョクアジサシを尊敬してしまいます。
私は5km程度の自転車通勤ですら、1週間でギブアップしました。
体長は約35cm、赤いくちばしと足、帽子をかぶったような黒い頭が特徴的。
しかしこれは夏羽の間のことで、冬羽になるとくちばしと足の色は黒に変わります。
くちばしの色が違ったら、まるで別の鳥のように見えますね。
キョクアジサシの地球縦断!
とんでもない距離を移動するキョクアジサシですが、その距離は具体的にどのくらいなのでしょうか。
私の予想は…単純に考えて地球一周が約4万kmだから、片道約2万km、往復で4万kmくらいかな?
ハトほどの小さな体で長距離を移動するには、きっと最短距離を行っているはずという予想です。
しかし、そんな予想をはるかに超える事実。
なんとキョクアジサシ、往復で約9万km以上を移動する個体もいるそうです!
かつては小型の鳥類に取り付けられる発信機がなく、キョクアジサシの移動距離はあくまでも推測で3万5000km程と考えられてきました。
しかし近年、小型の鳥類にも取り付け可能な発信機(なんと重さはゼムクリップ1個分ほど!)が開発され、この超長距離移動の実態が明らかになったのです。
9万kmといったら、地球2周分以上の距離ですよ。
1年の間に、そんなに移動ができるということにびっくりです。
その移動中に、日本にもちょっと立ち寄ってくれないかなと期待をしているのですが、残念ながらキョクアジサシの移動ルート上に日本は入っていません。
しかし、ごく稀に迷子になったキョクアジサシが日本でも見られることがあるそうです。
もし国内で見かけた人は、すごくラッキーですね!
キョクアジサシは夏が好き?
北極圏や南極圏では、太陽が一日中沈まない「白夜」という現象があるのをご存知ですか?
白夜は北極圏や南極圏の夏に起こる現象なのですが、キョクアジサシは「白夜を求めて渡りをする鳥」「一生のうち日の当たる中にいる時間が最も長い鳥」とも言われているんです。
キョクアジサシは夏の北極圏で繁殖をし、子育てが終わるとそこから今度は南極圏に移動して夏を過ごします。
移動中以外は北極・南極どちらに行っても夏ということですね。
キョクアジサシがなぜこんなに大移動をするのかはまだ解明されていませんが、どちらの夏もキョクアジサシにとってとても過ごしやすい環境だということなのでしょうね。
キョクアジサシ まとめ
キョクアジサシの大移動について知ると、やっぱり大自然に生きている動物の力ってすごいなと思わざるを得ません。
たった35cm、百数十グラムほどの小さな鳥が、9万km以上も移動しているなんて誰も予想をしていなかったわけですからね。
身一つで北極圏から南極圏まで移動するそのポテンシャル、少し見習わなければと思います。
(ライター名 もんぷち)