美しい鳴き声で知られる「ひばり」。

しかし、実際にひばりがどんな姿をしているのか?どんな鳴き声で鳴くのか?ということを知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、生態や鳴き声など、様々な角度からひばりについて調べてみました。

ひばりってどんな鳥?

ひばりはアフリカ大陸北部、ユーラシア大陸、イギリスなどに生息する鳥です。

日本でも周年生息しており、春を告げる鳥として親しまれていますね。

渡り鳥ではありませんが、北部や積雪地帯に分布する個体群は、冬になると南下をします。

日本では和歌や俳句、海外でも童話やクラシック音楽など、様々な作品に登場するんですよ。

全長は17㎝ほど。

 

褐色の体に黒褐色の斑紋があり、耳羽は赤褐色。

短いモヒカンのような冠羽がありますが、メスはあまりこれを立てることはないそうです。

やはりモヒカンみたいで嫌なんでしょうか?

晴れた日によく飛び鳴くことから、「日晴る(ひばる)」が転じて「ひばり」になったというのが名前の由来。

 

また、漢字では「雲雀」と書きますが、これは「雲のように高く舞う、雀に似た鳥」というところから来ています。

ひばりは空中をホバリングしながら鳴いたり、飛翔技術が高く変幻自在に飛び回るので、このような名前が付いたのでしょうね。

 

地域によっては「告天子」「叫天子」などとも呼ばれていますが、どれもなんだかカッコイイ名前ばかりですね。

ちなみに英名は「Skylark(スカイラーク)」。

 

これは「空を愉快に飛び回る鳥」という意味です。

主に草原、河原、農耕地などに生息するとされていますが、近年では高山帯、北海道や本州の山岳地帯でも生息が確認されています。

 

餌は主に種子、昆虫などで、植物食傾向の強い雑食。

地面を歩き回りながら餌を探します。

 

天敵はイタチ、ネコ、ヘビ、カラスなど。

地表に巣を作って子育てするため、天敵は多いようです。

ひばりの鳴き声…いつか聞けなくなるかも

ひばりは繁殖期である春になると、オスが縄張りをアピール、そしてメスを呼び寄せるために美しい鳴き声を上げます。

鳴き声は「フィチフィチフィチ…」または「ピーチョフチョフチョフ」といった感じで、20分以上鳴き続けることもあるそうです。

そんなひばりは、かつて春を知らせる鳥として広く親しまれてきました。

 

しかし、近年ではひばりの生息数が減少してきており、特に都会では姿を見かけることも無くなりました。

原因は人間による開発。

 

ひばりは丈の低い草地を好むので、開けた田園違いや原っぱなどによく生息しています。

しかし、農業の衰退、土地の開発などにより草地が減少、それに伴いひばりの数も減少してしまっているのです。

 

県によってはレッドリストの絶滅危惧種に指定されるほど。

これは日本のみならず世界的な傾向であり、EUなどではこの事態を重く見て、農耕地に生息する生物に配慮した農業へと方向転換しつつあるんだとか。

日本でもそういった方法が採られるようになるといいですね。

 

バードウォッチングをするなら最適なのは春から夏にかけて。

この時期は繁殖期のため、人目に付く場所で飛んでいることも多いです。

 

しかし繁殖期が終わると、ひばりは草むらの中で次の春が来るまでひっそりと暮らします。

体色や模様は周囲に溶け込めるようになっているのでとても見つけにくい上、非常に臆病な性格なので見つけてもすぐに逃げてしまうので、なかなかじっくりと観察することは難しいでしょう。

ひばりについてのまとめ

とても身近な鳥だったひばりですが、近年では「鳴き声を聴いたことも姿を見たことも無い」という人が増えてきました。

彼らが再び春の風物詩として当たり前に感じられるようになる日が来ることを祈ります。

(ライター もんぷち)