スズメじゃないけれど、同じくらいの大きさで駐車場や庭などをピョンピョン走り回っている鳥…見たことはありませんか?
よく見かけるしとても身近な鳥なのに、その名前を知っている人は少ないのではないでしょうか。
その鳥の名は「ハクセキレイ」。
やはりあまり聞き慣れない名前ですね。
一体、ハクセキレイとはどんな鳥なのでしょうか。
ハクセキレイってどんな鳥?
ハクセキレイはロシア、中国東北部、日本などに生息している鳥です。
かつて日本では北海道や東北地方など、北部でのみ生息が確認されていましたが、20世紀後半ごろから徐々に関東や中部へと生息地を広げ、現在では西日本にも生息が確認されています。
もう東日本では特に珍しくもない普通種として定着していますね。
本来は川など水辺で暮らしている鳥ですが、現在では少し水場を離れた都市部などでも見られるようになりました。
市街地ではコンクリートや地面のくぼみに貯まった水で水浴びをしたり、ハトと共に人間から餌を貰って暮らすというたくましさを持っています。
ハクセキレイはスズメなど他の身近な鳥に比べて警戒心が薄く、人間が近づいても逃げないと言われています。
実際に、駐車場にいるところに車で遭遇して、逃げるだろうと近づいたら全然逃げず、「轢いちゃうよ、逃げて逃げて!」といったことも何度か…。
なぜこんなにも全国に進出してきたのか。
ハクセキレイは河原などの開けた場所を好む性質があり、駐車場などはハクセキレイにとってとても馴染みやすい場所なのではないかと考えられています。
また、スズメが減少することで競争相手が減り、スズメがいなくなった空白地帯をここぞとばかりに穴埋めしていくことも。
全長は20cmほどで、それほど大きな鳥ではありませんが、小鳥という括りの中では比較的大きい方です。
名前の由来はその見た目から。
漢字で書くと「白鶺鴒」、鶺というのは「背筋」のことで「鴒」というのは冷たく澄みきっているという意味。
これを合わせると「白くて背筋がピンとしていて美しい鳥」ということです。
羽の色である白黒のコントラストが、よりハクセキレイを美しく見せていますね。
食性は雑食で、基本的には昆虫やミミズなどを食べます。
しかし都市部では、ハトの餌や人間の食べこぼし(パンくずなど)、街灯に集まる小さな蛾などを食べることも。
私も公園でお菓子などを食べていると、ハトやスズメに混じって餌をねだりに来るハクセキレイに遭遇したことがあります。
ハクセキレイの鳴き声
ハクセキレイの鳴き声は、その見た目にとてもピッタリな可愛らしい鳴き声です。
「チュチュン」「チチチッ」など、小鳥らしい声で、聴いていると癒されますね。
ああああああああああ
ごく稀に縄張りを宣言するため長めに3秒ほど鳴くこともあり、それはとても美しい声なんだとか。
めったに聴くことができないので、もしハクセキレイの長い鳴き声を聴いたらとてもラッキーです。
そして可愛いのは鳴き声だけではありません。
歩く姿もとても可愛いと評判。
スズメはピョンピョンと飛び跳ねるようにして地面を移動しますが(これもとっても可愛いのですが)、ハクセキレイは足を交互に出して素早く歩くのです。
小さな足を一生懸命素早く動かして歩く姿は、とても愛らしく見ているだけで癒されてしまいます。
もしもハクセキレイを見かけることがあったら、その鳴き声や歩き方など、少し観察してみてはどうでしょうか。
ハクセキレイについてのまとめ
多くの鳥が都市開発などで姿を消してしまっている現代、ハクセキレイは逆に身近でよく見られるようになった貴重な鳥です。
姿を見る機会は多いもののまだまだ知名度は低いので、これを機にじっくりとハクセキレイを観察してみてください。
身近でこんな可愛らしい鳥を観察できることに、ありがたみを感じるはずです!
(ライター もんぷち)