タカと言えば、日本ではオオタカを指すことが多いと言われるほど一般的で馴染みのある鳥、オオタカ。

歴史的にみても日本人と関わりの深いオオタカを詳しくご紹介。

オオタカの生態

オオタカは北アフリカ~ユーラシア大陸、北アメリカに分布している大型の鳥です。

日本では南西諸島を除く全域に亜種が分布しています。

留鳥として生息していますが、一部は南下することも知られています。

体長はオスが50㎝、メスが60㎝ほどで白い眉斑と黒い眼帯が日本亜種の特徴です。

 

低地や山岳地帯に生息していて飛翔能力が高く、エサとなるハトやカモなどを空中で飛びながら捕らえることも出来ます。

ネズミやウサギ、オコジョなどの小動物も捕らえて捕食します。

 

飛翔速度は時速80kmほどで、急降下する時には120㎞ほど出ると言われています。

羽ばたきと滑降を繰り返しながら飛んでいます。

 

1980年代頃までは森林から出てくるようなことはありませんでしたが、野鳥保護法により人を恐れなくなってきたことや、生態系の乱れた森林が増えたことなどから、最近では里山に姿を現すようになっています。

 

同じ大きさのカラスを襲う姿も報告されています。

一夫一婦制で1月頃に雌雄での鳴き交わしや波状飛行、旋回、急降下などをしてオスのアピールが始まります。

 

3月にアカマツやモミ、カラマツなどの針葉樹に直径1mほどの巣を作ります。

5~6月に産卵し、一月ほどで孵化した後一月ほどで巣立ちを迎えます。

 

8月までには完全に独立していきます。

生まれたばかりの頃はひよこほどの大きさしかないオオタカですが、すぐにハトのような大きさになり、30日後にはほぼ成鳥と同じ大きさまで成長する、初期成長の早い鳥です。

オオタカの名前の由来

オオタカの名前の由来は、一見大きいタカからきているように思われがちですが、実は「蒼いタカ」からきていると言われています。

羽根の色が蒼がかかった灰色をしているところから名づけられたそうです。

オオタカと人間のかかわり

仁徳天皇の頃からあったと言われる鷹狩り。

江戸時代中期になると盛んにおこなわれていたようですが、この鷹狩りに使われていたのがオオタカです。

 

鳥獣保護法が出来てからは、日本のオオタカを飼育することはできなくなり、現在は伝統芸能を伝承する為に、外国からオオタカを輸入しています。

1980年の調査では日本で400羽まで減ったオオタカ。

 

絶滅の恐れがあるとして1993年に希少野生動植物に指定され、保護の対象になりました。

保護されるたオオタカは見る見るうちに数が増え、2006年にはレッドデータブックから外されています。

2008年の調査では関東周辺だけでも5800羽の生息が確認されたそうです。

オオタカの鳴き声

オオタカは場面に応じた様々な鳴き方をします。

地鳴きともいえる鳴き方は「キョキョキョキョキョ」。

 

鋭いスタッカートな鳴き方で、長い時間鳴き続けます。

また「ピューーーーーーイ」という甲高い雄たけびのような鳴き方をすることもあります。

オオタカのまとめ

オオタカは北アフリカからユーラシア大陸、北アメリカに分布している。

日本には亜種が南西諸島を除く全域に分布している。

 

平地や山岳地帯に生息していて、人前に姿を現すことは少なかったが、近年は里山まで出てくるころもある。

オオタカの飛翔能力は優れていて、空中で小型の鳥を捕まえることが出来る。

 

飛翔速度は通常で時速80㎞、急降下する時のスピードは時速120㎞程。

江戸時代前の古い時代から鷹狩りのタカとしてオオタカが使われていた。

 

一時は希少野生動物に指定され、絶滅が心配されていたが、ぜんざい生息数は回復している。

鋭い「キョキョキョキョ」という鳴き方や「ピューーーーーイ」鳴き方をする。

(ライター ナオ)