天然記念物にもなっている「オジロワシ」。
鋭い顔つきと大きな羽がとてもカッコイイ鳥です。
しかしどこででも見られる鳥というわけではないので、テレビや写真以外では見たことがないという人も多いかもしれませんね。
今回はそんなオジロワシについて、生態や名前の由来など様々な観点から詳しく調べてみました。
オジロワシってどんな鳥?
オジロワシはユーラシア大陸、ヨーロッパ、西アジア、東アジアなどに生息している鳥です。
日本では主に冬鳥として飛来してくるのですが、北海道などでは一年を通して生息しているものもいます。
体長は約70cm~1mで、翼を広げると1.8m~2mほどになります。
ワシの仲間の中では「オオワシ」に次いで二番目に大きい種で、翼を広げて飛ぶ姿はとても雄大で圧倒されますね。
オジロワシも他の猛禽類と同じように、メスの方が大きくなる傾向にあります。
特徴は名前の由来にもなっている白い尾羽。
尾が白いから「尾白鷲(おじろわし)」。
オオワシとはとても似ていてよく間違えられますが、尾羽の違いさえ知っていれば間違えることはありません!
オジロワシの食性は雑食で、木の実、魚類、昆虫類、鳥類、小型哺乳類、動物の死骸などを食べます。
獲物に狙いをつけたら大きな体を翻し猛スピードで急降下、その姿は「カッコイイ」の一言に尽きますね。
降下中のスピードは180kmを超えるとも言われています。
基本的には海岸や河川などの水場周辺で生活しているので、餌となるのは魚が多いようです。
普段は群れを作らず単独かペアで生活していますが、冬季になると群れを作ることも。
寿命は20年以上とも言われており、完全な成鳥になるには6~7年もかかります。
それまではオジロワシのあの特徴的な白い尾羽も、褐色や黒褐色なんですよ。
鳴き声は「ピィー」「ガッガッガッ」「カッカッカッ」など。
猛禽類らしい迫力のある声です。
オジロワシ、絶滅の危機
冒頭でも少し話しましたが、オジロワシは日本の天然記念物となっています。
またそれだけではなく、絶滅危惧種にも指定されているのです。
生息数が減少してしまった理由は、人間による開発で生息地が減少したこと。
それに加えて地球温暖化など環境の変化や、電線での感電事故、狩猟で使用された鉛の弾による鉛中毒などが挙げられます。
いずれも、人間の行いが原因ですね。
特に現在問題となっているのが鉛中毒。
鉛の弾を被弾した鹿などの動物の死骸をオジロワシを含む猛禽類が食べることで、体に多量の鉛を取り込んでしまい、中毒を起こして死に至るのです。
この中毒の怖いところは、鉛を含んだ死骸がある限り何羽でも中毒を起こす可能性があるということ。
規制が行われているにも関わらず、中毒死する個体の数は下げ止まりの傾向を見せているそうです。
「ちゃんと死骸を回収するから問題ない」「鉛の弾じゃないと命中率が低い」などという理由で、規制のない本州で鉛弾を入手して使う悪質なハンターが後を絶たないんだとか。
自然淘汰ならば仕方がないことと諦めもつきますが、人間の手によって生き物が滅ぼされるというのはあってはならない事だと思います。
今一度、一人一人が自分たちの生活や環境について考えなければなりませんね。
オジロワシについてのまとめ
直接オジロワシに害を与えていなくても、鉛中毒や開発などにより間接的に絶滅に追いやってしまっているのが現状です。
元々日本ではそんなにたくさん生息しているわけではないので、大切に守っていかなければなりませんね。
オジロワシは野鳥であり天然記念物でもあるので当然個人が飼育などはできませんが、動物園などでは飼育されていることがあるので、興味がある人は見に行ってみてはいかがでしょう。
(ライター もんぷち)