ツミという名前の鳥を知っていますか?
ヒヨドリやキジバトににていますが、よ~~く見ると嘴はしっかりタカ!!
ちっちゃいけど強気ななかなかの鳥なんです。
ツミの形状と生態
罪はタカ目タカ科ハイタカ属に分類される鳥類です。
漢字で書くと雀鷹と書きます。
インドネシア、カンボジア、シンガポール、日本等アジアや東南アジアに分布しています。
日本には基亜種が北海道、本州、四国、佐渡島に生息。温暖な地域では周年で生息していますが、寒冷地では冬季に南下することが知られています。
オスは体長が27㎝、メスで30㎝。翼を広げると60㎝ほどになります。体重は70~160g。
幼鳥は上面が暗褐色をしていて、仮面が淡褐色の羽毛。胸部に縦縞が入り、腹部にハート状の模様が入ります。
体側面には横縞状の暗褐色の斑紋が入ります。虹彩は緑褐色。
成長のオスは上面が青みがかかった灰色をしています。
胸部~対側面はオレンジ色の羽毛で、虹彩は赤褐色。
一見するとヒヨドリのように見えますが、大きさはヒヨドリより大きいです。
成鳥のメスは上面が灰色、下面は暗褐色の横縞が入ります。虹彩は黄色。
こちらは一見キジバトのように見えます。ツミのメスもキジバトより一回り大きめです。
平地から山地の森林地帯に単独、もしくはペアで生息していますが、近年は開発が進み公園や雑木林、社寺林、街路樹など人に近い大木をみつけて営巣することもあるようです。
動物食で、主に小型の鳥類、スズメやカワヒラ、ホオジロを捕食しますが、他にも両生類や爬虫類、昆虫なども捕食。
ツミの和名の雀鷹はここからついたと言われています。
繁殖形態は卵生で、繁殖期にはなわばりを形成し、針葉樹に木を組み合わせたような巣を作ります。
4~6月が繁殖期で、一回の産卵で2~5個の卵を産み、メスが30日間抱卵します。孵化後30日間で巣立ちを迎えます。
ツミは「キィーーーキキキキキッ」という語尾が下がる独特の言い回し。
繁殖時期にるけたたましいく鳴く声が聞こえます。
小さい体のわりに攻撃的で、繁殖期になわばり50m以内に入ってきたカラスやタカ等自分より大きな鳥に対しても果敢に攻撃していきます。
このツミの攻撃性を利用して、オナガなどは、ツビをボディ―ガード代わりにしてわざとツミの縄張り内で子育てをしていたようです。
しかし、あまりのカラスの繁殖ぶりに、キリがないと踏んだ!?ツミは、いつからかカラスを攻撃するのをあきらめてしまったよう。
最近ではそのような姿はあまり見なくなったそうです。
ツミと人間の関わり
ツミという名前はもともとツミのメスに対する呼び名でした。
江戸時代頃に盛んだった鷹狩りにおいて、オスは特別な存在として「エッサイ」と呼ばれていました。
オスとメスをはっきりと区別していたことがわかります。
現在は、広げた時の羽根の模様の美しさなどから写真愛好家のモデルとして活躍中です!?
ツミの生息数
ツミは都市部では緑化に伴って繁殖数が増加しているが、全体的には森林破壊などで生息場所がなくなり、全体の生息数は減っていると考えられています。
ツミのまとめ
ツミはアジアを中心に分布しているタカ目の鳥。日本には基亜種が生息し、北海道から四国、佐渡島に生息している。
ツミはオスとメスで色合いや羽の模様が違うので雌雄見分けやすい。
江戸時代の鷹狩ではツミのオスも狩りの対象となっていた。
ツミは小型の鳥類を捕食し、特にスズメやカワヒラ、ホオジロが多い。
ツミは小さい体ながら、獰猛で攻撃的な面を持ち、カラスなどに対しても攻撃を挑む習性をもっている。
都市化の緑化に従い、都市部で営巣し、繁殖するツミも増えたが、全体としての生息数は減っている。
(ライター ナオ)