ノスリという名前の鳥を知っていますか?
トンビのようでトンビでないタカの仲間の鳥です。
今回はこのノスリについて詳しくご紹介します。
ノスリの生態
ノスリはタカ目タカ科ノスリ属に分類される体長50~60㎝ほどの鳥です。
体重は500~1300kgほどで、トンビよりも一回り小さく、カラスより一回り大きいサイズです。
背面は褐色で腹面には淡褐色の羽毛が生えていて、喉元は黒です。
西ヨーロッパ、南アフリカ、インドなどに主に分布しています。
日本では北海道、本州中部以北、四国が繁殖地になっていて、繁殖地では留鳥として生息しています。
南西諸島以外のそれ以外の地域では冬鳥としてその姿を見ることが出来ます。
基本的に標鳥ですが、冬には海外から飛来してくる種類もいるようです。
平地や山の森林地帯に単独もしくはペアで飛んでいて、繁殖期にはなわばりを形成します。
食性は動物食で昆虫や節足動物、陸棲の貝類やミミズ、爬虫類や鳥類、両生類、小型の哺乳類も捕食します。
狩りをするときには一か所に止まっているかのような飛び方をするのも特徴的です。
繁殖期は5月頃で、樹上や断崖に木の枝を組み合わせた巣を作ります。
一度の産卵で2~4個の卵を産みます。
主にメスが抱卵し、抱卵期間は33~35日、50~55日で飛べるようになり、その後40~55日で巣立ちます。
性成熟するまでには2~3年かかるようです。
日本に生息しているノスリの種類
日本に生息しているのは、いずれも亜種でノスリの他に大東諸島に生息していたと考えられる大東ノスリ。
これは現在絶滅したのではないかと言われています。
小笠原諸島に生息しているオガサワラノスリです。
ノスリの名前の由来
ノスリは低空飛行をします。
その姿がまるで地面、つまり野を吸っているように見えることから、「野擦り」=「ノスリ」の名前がついたと言われています。
ノスリとトンビの違い
ノスリはトンビとよく間違えられる鳥です。
しかし、よく見ると大きさだけではなく尾の形や模様、性格も違っています。
まず尾はトンビよりも丸みがあり、飛んだ時には扇型になります。
翼の下面が白っぽくなっているのもノスリの特徴です。
全体的にトンビに比べて薄い色をしています。
カラスよりも体は大きいくせに、カラスに追われると逃げるという気の弱い性格もトンビとは違っています。
ノスリと人間の関係
ノスリは鷹狩のようなタカのように優秀ではありません。
そのため、奈良時代には役に立たないということから、「クソトビ」などと呼ばれていたようです。
また、色合いから「バフンタカ」と呼ばれることもあるそうで、さらに、その両方の要素を合わせて「バフンタカ」などとも言われることもあるのだとか・・・・・
何だか散々な言われ方のような気もします。
ノスリの鳴き声
ノスリは繁殖期に鳴くことがほとんどです。
その時は「ピーエー」という声を出します。
大型の鳥のわりに可愛らしい声を出すので、上空から可愛い声がきこえたら、それはノスリかもしれません。
ノスリのまとめ
ノスリは西ヨーロッパ、南アフリカ、インドに生息しているタカの仲間の鳥。
日本には亜種が生息していて、南西諸島を除く日本全土に冬鳥や留鳥として分布している。
カラスよりも一回り大きく、トンビよりも一回り小さい鳥でトンビによく間違えられる。
野を擦るように飛ぶ姿から「野擦り」=「ノスリ」の名前がついたと言われている。
日本では鷹狩りのタカとしては使えないことなどから「クソトビ」や「バフンタカ」「ノグソタカ」などと呼ばれることもある。
食性は動物食で一か所に留まっているように飛び、獲物を狙う。
大きい体のわりに高くて可愛らしい「ピーエー」という声で鳴く。
(ライター ナオ)