オウムは、オウム目(インコ目)・オウム科に属する21種の鳥の総称です。
ここではオウムとその知能、特にヨウムの知能について紹介します。
オウムの生態
オウムは、その特徴的な冠羽と湾曲したくちばしから、即座に見分けることができる鳥です。
オウム科で最小の種であるオカメインコは小型の鳥ですが、おおむねオウムは、インコよりも大型です。
オウムの羽毛は、一般にインコと比べてあまりカラフルではなく、おもに白色ないし灰色か黒色をしています。冠羽や、ほほや尾羽などに彩色のある部分が存在します。
オウムの食性は、おもに種子、塊茎、球茎、果実、花や、そして昆虫です。
オウムは群れで採食することが多く、とりわけ地上で採食する場合に大きな群れをつくります。
オウムは一雌一雄でつがいを作り、樹洞に営巣します。
一部のオウムは、居住環境の喪失や、営巣に適した洞をもつ大きな成熟した樹木の伐採による悪影響を被っています。
ちなみに、オウムはペットとして人気がありますが、飼育することは容易ではありません。
ただ、そのなかでもオカメインコだけは、飼うことがとても容易なため、ペットとしてたいへん人気が高くなっています。
クロオウムの飼育は、白色のオウムに比べてあまり一般的ではありません。
大規模な野生種の捕獲による違法な取引によって、絶滅に瀕している種もあります。
オウムとインコの違い
オウムは全般にずんぐりした体付きをした、オウム目のなかでは中型から大型の鳥です。
その大きさは体長30~60センチ、体重300~1,200グラムに及びます。ほとんどの種がインコよりも大型です。
頭頂部の動く冠羽は、すべてのオウムに存在しますが、基本的には華々しいものとなっています。
この冠羽は、飛んでいたオウムが着地するとき、あるいは興奮しているときに起立します。
オウムは、数多くの特徴をインコと共有しています。
たとえば、特徴的なカーブした形状のくちばしや、趾(あしゆび)の内側2本が前方を向いていて、残りの2本が後方を向いていることなどです。
また一方で、オウムに固有の特徴も数多くあります。
たとえば、胆嚢(たんのう)が存在することや、そのほかのいくつかの解剖学的な細部、またインコに見られる明るい青や緑を出現させる、羽根のダイクテクスチャー組織が欠如していることなどです。
オウムの知能
オウムの知能は、おおよそ人間の4歳児程度といわれています。
そのオウムのなかでも、ヨウムという種は、特に知能が高く5歳児なみの認識能力と、2歳児なみの感情を持っているといわれています。
オウムのその他雑学など
オウムのなかで、もっとも優れた知能を持つのは、おそらく「ヨウムのアレックス」でしょう。
ヨウムのアレックスは、ペパーバーグ博士との試験により、「鳥は思考する」ことや「色と数を組み合わせて答えることができる」ことなどを証明しました。
アレックスは、「モデル/ライバル法」という方法で、100以上の単語をおぼえ、「~をしたい」「~に行きたい」といった文に、自分で単語を当てはめて、新たな言葉として、相手に伝えることができました。
アレックスは、2007年9月6日、31歳で死去するまでに、50の物体、7つの色、5つの形を認識し、数は6つまで数えることができるようになりました。
ちなみに、その死の前日。
アレックスは、研究所を離れるペパーバーグ博士に、
You’ll be in tomorrow.
と、言葉を残しています。
オウムのまとめ
以上、オウムとその知能についていかがでしたか?
ヨウムのアレックスは――これは博士による教育の賜物ではありますが――人間に迫る知性を有していました。
すべてのオウムとインコがアレックスと同等というわけではありませんが、それでも近しい知能を持っています。アレックスの最後の言葉なんか、ほろりとしてしまいますよね。
(ライター ジュン)