オキナインコは、インコのなかではヨウムに次ぐ知能といわれており、また、比較的穏やかな性格なので、ペットとして人気です。
飼い主にとても従順で、しかもスキンシップが大好きなので日本でも昔からたくさんの人に飼われています。
ここでは、そんなオキナインコと、その寿命について紹介します。
オキナインコの生態
オキナインコは、オウム目・インコ科に分類される鳥です。
ちなみにオウム目は、インコ目と呼ばれることもあります。
ただしその下のインコ科とオウム科は、まったく別のグループです。
つまり、オウム目(インコ目)の下に、インコ科とオウム科があります。
オキナインコは、全長29~33センチです。
体の大部分は、緑色ですが、額や前頭、目先、ほほ、のどは灰色です。
その胸は褐灰色で、風切羽の外側と尾羽の先端は青みがかっています。
クチバシは、オレンジ色をしています。
また、オキナインコは、木の穴を巣に利用するオウム類のなかでは唯一、枝を使って巣を作ります。
いくつかの部屋に別れた集合巣を、ほかの個体と共同で作るのです(ヒナの養育には、両親以外の若鳥が参加します)。
というわけで、オキナインコは、30~50羽の群で行動することが多くなっています。
オキナインコの食性は雑食で、種子や果実、茎葉、多肉植物、昆虫を食べます。
ちなみに、インコやオウムのなかでも、人のモノマネは上手いほうです。
オキナインコの寿命
オキナインコの寿命は15~20年です。
ちなみにインコは、サイズによって寿命がだいたい決まります。
小型インコ
セキセイインコ:10年~12年
コザクラインコ:10年~15年
中型インコ
ボタンインコ:8年~12年
オカメインコ:15年~18年
大型インコ
ヨウム:50年
ルリコンゴウインコ:50年
オキナインコは中型のインコで、サイズも寿命もオカメインコ(オウム目・オウム科)に近しいです。
オキナインコのその他雑学など
オキナインコは、本来はアルゼンチンやウルグアイ、ブラジル南部に生息します。日本にとっては外来生物です。
しかし、ペットとして大変人気なので、すでに日本国内に移入しています。
公園や市街地、住宅地、河川敷など、さまざまな場所に生息し、繁殖します。
現在は、神奈川県と三重県で生息が確認されています。兵庫県では、8年連続して繁殖が記録されました。ただし1980年初期を最後にそれ以降は目撃されていません。
オキナインコの国内への侵入経路は、愛玩用や観賞用に輸入された飼い鳥が逃げ出したのではないのかといわれています。
あるいは、飼い主によって放たれて、野生化したと考えられています。
オキナインコが国内に侵入するとどうなるのでしょうか?
在来の鳥類が影響を受けるといわれています。
たとえば、海外ではオキナインコが在来鳥類を襲う例が報告されています。
農作物の被害も報告されています。
さらにペット用のオウムやインコ類は、数%~10数%ほどクラミジア保菌率がありますので、オウム病を媒介する可能性があります。
ちなみに、オキナインコが移入している国は、日本以外では、イスラエル、ベルギー、スペイン、ポルトガル、イタリア、スロバキア、カナリア諸島、米国、バハマ、プエルトリコ、チリなどです。
とくにアメリカでは8つの州に外来種として定着しており、フロリダ州におけるオキナインコの生息数は、10万羽と推定されています。
オキナインコのまとめ
以上、オキナインコとその寿命についていかがでしたか?
オキナインコは寿命が長く、飼育環境によっては30年も生きるようです。ここまで長く生きると、おそらくは自分の娘や息子よりも長く、ひとつ屋根の下で暮らすことになります。オキナインコはモノマネが得意で、よくしゃべるので、愛着も並々ならぬものとなるはずです。
機会があれば、ぜひ飼ってみたいです。
(ライター ジュン)