幸せの青い鳥!?のモデルではありませんが、綺麗で鮮やかな色合いのスミレコンゴウインコ。

その生態に迫ります。

スミレコンゴウインコの特徴

スミレコンゴウインコはヒヤシンスコンゴウともいわれ、コンゴウインコの中で最大級の大きさのインコです。

オウム目インコ科に分類され、ブラジル固有種。

体長は90~100程で、頭は大きく、全身は明青色をしています。

翼は紫がかかっていて、尾羽や翼下面は暗灰色をしています。

 

眼の周りと下嘴基部には羽毛がなく、黄色い皮膚が露出しています。

嘴は黒くて大きく、オスとメスではくちばしの形状に違いがあり、オスはメスの嘴よりも幅が狭く、先端がV字になるのが特徴です。

メスは下のくちばしの方が大きいので、閉じた時には隙間が出来、U字に見えます。

 

サバンナや湿原、開けた環境の周囲にある乾燥林に生息しています。

ペアや小規模の家族で群れをつくり、渡りは行いませんが、アマゾン川流域なのではかなりの長距離を移動する記録もあります。

 

主食はヤシの実で、固くて丈夫なくちばしを使って器用に割ってたべます。他の果実や陸に棲む貝類なども骨の入っている舌などを使って器用に食べます。

繁殖期は7~12月で、ヤシの樹洞や断崖に巣を作り、2個ほど、時には3個の卵を産みます。

 

抱卵期間は1か月、育雛の期間は105~110日と言われています。

寿命は30~40年。

 

鳴き声は「ギャーギャー」とけたたましく鳴き、綺麗な青い色合いには似つかわしくないような気もしますが・・・・

その鳴き声によってなわばりを主張したり、仲間に危険を知らせたりしているのだそう。

時に、人の声を真似したりもします。

スミレコンゴウインコの数

スミレコンゴウインコは農業や牧畜による拡大で、生息地が破壊され、絶滅が心配されているインコです。

ペットや羽毛用、食用としても乱獲されています・

 

1987年には国の法律で保護されていますが、1997年の調査ではパンタナルで5000羽、マンガベイラスサンチで1000~2500羽程度の数しか確認されていないのだそう。

現在ではさらに減っている可能性もあるわけです。

スミレコンゴウインコの飼育

スミレコンゴウインコは飼育できますが、飼育下での繁殖は難しいと言われています。

コンゴウインコの中では非常にデリケートで、育雛期間も長く、1989年の時点では93ぺアいるうち39の雛しか孵らなかったという報告でした。

 

難しさの第一は、もともと2個という産卵数が少ないスミレコンゴウインコですが、飼育下ではそのうちの1個を育児放棄してしまうということ。

卵の時点で抱卵しなかったり、孵ったとしても一羽が弱って死んでいくのを待っていたり!?

1羽が孵り、無事育てば良い方だということ。

 

もう一つはエサの問題で、スミレコンゴウインコが好む高脂肪、低たんぱくなエサを確保できないということ。これだけ混合エサなどが発達している状況においても、ぴったりのエサは未だ開発されていないという現状があるようです。

 

スミレコンゴウインコは、この危機的状況にあって、自ら1個の卵しか抱卵しないという道を選択しているのかもしれませんが・・・・。

1971年に初めてアメリカでスミレコンゴウインコの飼育下での繁殖が成功して以来、技術や方法についてのデータは更新されていないのだとか?

スミレコンゴウインコのまとめ

スミレコンゴウインコはブラジルの固有種で、綺麗な青色をしている。

サバンナや湿原の開けた環境の周囲にある乾燥林に生息している。

 

生息地の減少や乱獲により、その数は激減している。

嘴が大きく、舌に骨が入っている為、固いものや果実でも簡単に割り、中身をほじくりだすことが出来る。

飼育はできるが、飼育下での繁殖はそう簡単ではない。

(ライター ナオ)