庭に果樹が植えてあったり、木の実のなる木や家庭菜園などが庭にあれば、目ざとく見つけて飛んでくるヒヨドリ。

野鳥観察にはもってこいのヒヨドリですが、意外に鳴き声は賑やかなもの。

 

そんなヒヨドリ、飼育してみたいと思ったことはありますか?

また、弱っているヒヨドリを飼育したことがある人はいるでしょうか?

今回はヒヨドリの飼育について詳しくお話します。

ヒヨドリの生態

ヒヨドリはスズメ目ヒヨドリ科ヒヨドリ属に分類される日本、サハリン、朝鮮半島南部、台湾、中国南部、フィリピン北部に分布している鳥です。

日本では一般的ですが、他の地域では個体数の少ない、珍しい鳥なんです。

体長は27~29㎝、ムクドリやツグミよりもやや小さく、くちばしは黒く尖っています。雌雄同色で頭部にかけては灰色の羽毛で覆われ、頬には褐色の部分があって目立ちます

頭部には冠のような少し長めの羽毛が生えています。

 

南部より北部の個体の方が体色が濃いこともわかっています。

ある程度の樹林のある公園や、里山、都市部などにも生息し、主に樹上で活動しますが、地表に降りてくることもあります。

数回羽ばたいた後に滑空を繰り返すので、波型のような飛び方になります。

 

食性は雑食で花の蜜や果実、繁殖期には昆虫も食しますが、繁殖期以外は殆ど果実や花の蜜で過ごします。特に春先のツバキなどは好物で、メジロを追い払って食している様子を見ます。

 

繁殖期は5~9月で、この時期に体系には似つかわしくない12~20㎝ほどのやや小型の巣を作り、一回で4個ほどの卵を産みます。抱卵はメスが行い12~14日で孵化し、その後は雌雄両方で子育てをします。

 

10~11日で巣立ちを迎えますが、12~2月頃まで親と一緒にいることが多い様です。

繁殖期が長い理由に、ヒヨドリが昆虫などを捕食するのがあまり上手ではないということが挙げられるそうです。

 

繁殖に必要なたんぱく質を捕るためには昆虫の捕食が必須ですが、これがあまり上手じゃないということ・

基本的には留鳥ですが、10~11月には渡りの様子も見受けられます。

房総半島では1000羽ほどが群れになって飛んでいることもあるようです。

ヒヨドリの鳴き方

ヒヨドリの鳴き方は「ヒーヨー」

この鳴き方が和名の由来にもなっています。

他にも「ピーピヨピヨピヨ」と聞こえるような鳴き方をすることもあります。

数羽で鳴いていると結構な音量ですし、突然甲高い声を出したりもするので、何かに集中したい時にはそれなりに騒音です。

法律上でのヒヨドリの飼育

そんなヒヨドリでも目の前で弱っていれば、何とかしてあげたくなるのが人情。

一応日本の法律、鳥獣保護法では野鳥の飼育は禁止されています。地域によっては飼育許可制度というものがあって、一時的な保護などは認められているところはあるようですが・・。

ヒヨドリの保護飼育の仕方

弱っている雛を飼育する場合は野菜や動物性のエサを半々で与えます。

水分は餌から摂取するので特に水場を用意したり、水を直接与える必要はありません。

人工的に飼育する場合はビタミンなどが不足しがちになります。ビタミンが不足すると脚が弱ってしまったり、成長が止まってしまったりといった弊害が起こります。特にスズメやインコと同じように粟やヒエなどの種子類を与えてしまっているとヒヨドリの場合はビタミン不足になります。

 

しっかりと野菜や果物でビタミンを与えるようにしましょう。野菜ジュース等を活用するのもひとつの方法です。

ヒナの場合は1時間に1回のペースでエサやりをしなければならないようです。体が小さい分2~3時間エサを与えずにいると死んでしまうことがあるのだとか。

特に生後15日まではこのペースで。

(ライター ナオ)