ハリーポッターシリーズでは、シロフクロウの「ヘドウィグ」などが活躍します。

魔法使いたちがペットにしているフクロウが注目されたおかげか、日本ではフクロウの人気が高まっていますよね。

 

そういえば、筆者は池袋駅の待ち合わせスポット「イケフクロウ」の前で友人と待ち合わせをしたことがあります。

日本のフクロウとして最も身近なのがアオバズクです。

アオバズクはどんなフクロウなのかみていきます。

あいらしい姿のアオバズク

アオバズクは全長が27~30㎝ぐらいでフクロウの仲間です。

頭と背中は黒褐色でお腹は白で縦縞が入っています。

丸い大きな頭と黄色いまん丸のお目めが特徴的です。

 

日本には、初夏青葉の萌えるころに飛来して姿を現すのでこの名前がつけられました。

「ズク」とはフクロウのこと、青葉のころに見られるフクロウがアオバズクなのです。

アオバズクはどんなところで見られる?

アオバズクはアジアやロシアの南東部に生息していて、冬は北方で繁殖しますが、寒くなると南方に渡ります。

日本には夏に渡ってきて繁殖し、寒さが厳しくなると東南アジアの方へ南下していきます。

一方、沖縄地方で見られるリュウキュウアオバズクは一年中そこで過ごします。

アオバズクの暮らしぶり

アオバズクは広葉樹林などに住み、大きな木の洞などに巣をつくります。

けれども街の中の神社仏閣の周囲の林や、ときには街路樹で見かけることも多くなりました。

 

夏に繁殖のために渡ってきたアオバズクは、巣をつくると1回で2~5個の卵を産みます。メスが25日間卵をあたため孵化すると、約28日で巣立ちます。

アオバズクの主食は昆虫類ですが、両生類、爬虫類、こうもりや小鳥などの小動物も食べます。アオバズクは夜行性のため狩をするのは夜です。

夜、街灯に集まる虫を捕らえている姿がしばしば目撃されています。

アオバズクの鳴き声

アオバズクの鳴き声は、「ホッホウ、ホッホウ」と二声ずつ繰り返すのが特徴です。

日本の夏の夜に「ホッホウ、ホッホウ」というフクロウの鳴き声が聞こえてくるのはアオバズクです。

 

昔は東京などでも、夜になると当たり前にその鳴き声が聞こえてきたそうです。

日本では最も身近なフクロウです。

アオバズクと人間とのかかわり

アオバズクなどフクロウの仲間は、古代から人間とかかわりをもってきました。

ローマ神話にでてくる知性と技芸の女神、ミネルヴァの使いとされ、知性の象徴といわれてきました。

 

また、人間と同じく頭が丸く、顔が平べったく、大きな目をもち、それが夜に木の枝にとまり、じっと見つめたり首を傾げたりしている様子が瞑想しているようであり、森の賢者や長老と称されてきました。

 

日本でも、「不苦労」「福郎」などとつながる縁起の良い鳥としているところが多いようです。

一方で、アオバズクは穏やかに木にとまっている様子から人間に親しまれてきたのですが、繁殖期になるとヒナを守るために巣に近づく人間を攻撃してくることが知られています。

その攻撃的な面から狩に使用されたり、また、肉食で夜行性であることから悪魔や死の前兆のような負のイメージをもたれたりすることもありました。

アオバズクはペットとして飼える?

最近、猫カフェならぬ、「ふくろうカフェ」が大人気だということですが、フクロウと触れ合えるカフェ、どんな感じかちょっと行ってみたい気がしませんか。

ところで、アオバズクをペットとして飼うことはできるのでしょうか。

 

日本産の野鳥としてのオアバズクを含むフクロウは保護の対象になっているので、たとえ怪我をしているからといって家に連れて帰って飼うことはできません。

ペットショップで売られているもので、海外から正式な手続きをして輸入したフクロウやその子孫であれば、購入して飼育することができます。

いくらかわいらしいからといって、日本で見かけたアオバズクやそのヒナを捕まえて飼うことは違法です

まとめ

「プーさんと森の仲間たち」にも、自称、森いちばんのものしり博士としてフクロウがでてきます。

フクロウは、日本でも昔語りや童謡にしばしば登場する身近ないきものの一つです。

 

けれども、日本で最も身近なフクロウ、アオバズクの個体の数は減少傾向にあるとのことです。

巣をつくる林などの伐採が進んでいるためです。

深々とした鎮守の森を残し、青々とした街路樹を育て、これからもかわいらしいアオバズクの鳴き声が聞ける日本でありたいものです。

(ライター sensyu-k)