Song birdという言葉を聞いたことはありますか。歌鳥ともいわれ、さえずりに特徴がある鳥のことだそうです。
キンカチョウはその中でもやや特徴のある鳴き声を出すそうで、昔から飼育されてきた鳥のようです。
キンカチョウについて
キンカチョウはオーストラリアなどに生息するスズメ目カエデチョウ科の鳥です。
アメリカなどにも移入されているようです。乾燥地帯に棲み、群れで生活しています。
成鳥の大きさは10cmほどで体重は12gほどです。くちばしは赤いことが多く、日本では明治時代くらいからペット用とされてきたため、体色のバリエーションがたくさんあります。
茶系のものから白にオレンジ、カラフルな個体も多くあります。
頬っぺたの部分は赤いことが多いので、チークを入れすぎたようにも見えます。
しかし野生下のキンカチョウで頬が赤いものはオスです。
また、胸の白い部分と黒い模様がゼブラ模様に似ています。
地面に落ちた種子や小型の昆虫、穀類なども食べる雑食です。野生での寿命は4,5年ですが、飼育していると長生きすることもあります。
ただし、5年生きたキンカチョウはわりと大人だと思った方が良いようですから、飼育の際にはキンカチョウの体調に気をつけてください。
キンカチョウの歌
キンカチョウの幼鳥は生まれてから50日ほどの間、オスの親鳥の歌を聞き、覚えます。
ある程度歌を覚えるにはほぼ決められた日数が必要です。生後100日くらい経つと、キンカチョウは自分の歌をうたう、というような様子をみせます。
ただし、その後は新しいさえずりを覚えたりすることはなく、ごく初期の限定された期間に形成されるようです。
Song birdたちの脳はそれに適した部位をもっており、キンカチョウは成長が早いことから研究によく使われています。
キンカチョウはオスのみが鳴きます。そのため、そのような歌に特化した部位およびシステムを持つのはオスのみのようです。
キンカチョウの特徴
キンカチョウのオスは、さえずり自体もそうですが、間合いというか間のとり方にも特徴があります。
鳴いていない時間がぴったり同じなのです。こういった鳥はあまりいません。
すぐにキンカチョウのオスだ、とわかるくらい、幼鳥時に覚えた鳴き声をそのまま出すことができるのです。
この行動は、言葉を発することを学習できることとも類似しているとみられ、動物の中では珍しいともいえます。
哺乳類だとクジラ目のクジラやイルカ、コウモリ、鳥類だとオウム、インコ、ハチドリなどが知られています。
キンカチョウの飼育
キンカチョウはおとなしく、比較的飼いやすい鳥です。
あまり手乗りしすぎると、ストレスになってしまう場合もあるようです。
注意点は不衛生にならないようにすること、寒さに弱いので冷えすぎるところにケージを置かないことなどです。
室温は20度くらいを保つと良いようですね。
必要なものはフィンチ用のもので足ります。
鳥獣店では成鳥が販売されていますので、大人の個体を飼育することが多いかと思います。
ケージ
小鳥用のごく小さなもので良いです。
ツボ巣
草などで作られている、巣のようなものです。
糞などで不衛生になる前にとり替えてください。
水入れ
水浴び用のものと、水飲み用のものを用意します。
水は汚れたら取り替えてください。汚れているように見えなくても、毎日替えます。
止まり木
ごく小さなもので良いです。キンカチョウはあまり活発に遊ぶタイプではないようですが。
何かあると喜ぶかもしれません。嫌がるようなら無理にいれなくても良いです。
カバー
専用のものもありますが、夜にケージ内を暗くして眠らせるためにケージには何かをかぶせます。
餌
キンカチョウ専用のものはないようですが、文鳥用なども食べるようです。
キンカチョウは下痢をしやすいので、古くなった餌は取り替えましょう。
ヒーター
冬に気温が下がる地域ではヒーターが必要になることもあります。
キンカチョウの飼育
キンカチョウは鳴き声が面白いこと、姿が可愛いことから人気の小さな鳥です。
錦花鳥などと表記されることから華やかな印象もあるのかもしれません。
万が一体調を崩しそうになったらすぐに鳥の専門医にみてもらえるように準備を整えてから飼育してくださいね。
(ライター:おもち)