カワセミは美しい鳥の代表として挙げられる鳥で、漢字では翡翠とも書きます。
綺麗な川のほとりで見られる美しいカワセミがどんな鳴き方をするか、皆さんはご存じでしょうか?
カワセミの生態
カワセミはブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属に分類される鳥。
体長は17㎝ほどで、数字だけ見ると雀よりも大きいサイズですが、くちばしが長いので、体のサイズはスズメと同じくらいです。
頭が大きくてくちばしは長く、頸部や尾や足は短いのが特徴です。
オスのくちばしは黒く、メスのくちばしは下の部分がまるで口紅でも塗ったかのように赤色をしています。
頭部と頬、背中は青く、頭にはウロコのような模様があります。
喉と耳の辺りは白く、足は赤色です。
幼鳥の頃は全体が光沢の少ない黒色をしています。
羽毛の青色は色素による青さではなく、羽毛の微細構造によるもので、構造色と言われます。
これはシャボン玉が色々な色に見えるのと同じ原理で、両翼の間から除く背中の水色は更に鮮やかに見えます。
海岸や川、湖、池、公園の池など都市部にも生息しています。
川ではヤマセミよりも下流に生息することが多いですが、一部では混在しているところも。
エサは魚や水生昆虫、エビ、カエルなどで採餌する時は水辺の石や枝にとまり、そこから一気に飛び込みます。
お気に入りの止まり場所が決まっているようで、同じ場所に毎日止まる習性もあります。
上空でホバリングしたのちにダイブすることもあるようです。
水に飛び込むときにはゴーグルの役割をする瞬膜を張り、水の中でも的確に獲物を捕らえることが出来ます。
捕らえた獲物が魚や大きいものの時は、一度元いた場所に持ち帰ってから、頭から飲み込みます。
大きい魚などの時は何度かたたきつけ、骨を砕いてから食べるようなこともします。
非繁殖期は縄張り意識が強く一羽でいることが多いのですが、繁殖期になるとオスはメスにエサをプレゼントするという行為をし、求愛します。
巣の場所は垂直な土手で、くちばしと脚を使って器用に奥行き50~90㎝ほどの穴を掘ります。
穴の一番奥が少し広くなるように作り、そこに3~4個の卵を産みます。
ヒナの頃はイタチやヘビなどが天敵になりますが、成鳥になってからは猛禽類やカラスなどに襲われることがあります。
カワセミの生息数
1980~1990年代にかけては日本のあちこちで河川改修が行われ、それまで土手だった場所がコンクリートで埋め固められました。
当然、カワセミは営巣場所を失い、数も激減してしまいました。
その後、北海道でカワセミが巣を掘り進められるような穴を施こしたコンクリートを使ったところ、カワセミが見事に営巣。以来、全国でこのコンクリートが使われるようになり、近年ではカワセミの数も回復していると言われています。
カワセミの鳴き声
カワセミは水面近くを、とても速いスピードで直線的に飛びます。
この時に「チッチッーーーーー!」や「チー―――――!」という声を出します。
これがカワセミの鳴き声です。
カワセミのまとめ
カワセミは日本全域の水辺に生息している。
羽根の美しい青色や胸の部分のオレンジ色が特徴的。
頭が大きく、くちばしは長く、足が赤色をしている。
羽根の青色は構造色といって、光の加減で色々な色に見える構造。色素によるものではない。
水中にいる魚や両生類などを上空から垂直に滑空することで捕らえることが出来る。
眼にはゴーグルのような瞬膜があり、水中では瞬膜を張ることで獲物を的確にとらえる。
垂直な土手に営巣するが、一時期河川改修によるコンクリート工事の影響で営巣場所が失われ数が激減した。
水面近くを直線的に飛び、「チーーーーーーー!」や「チッチッーーーーーー!」と鳴く。
(ライター ナオ)