カササギという鳥を知っていますか?

サギという名前が付きますが、サギの仲間でななく、カラスの仲間なんです。

カササギの生態

カササギはスズメ目カラス科の一種類で北アメリカ西部から、欧州全域、中央アジア、アラビア半島南西部などに生息しています。

日本では北海道、新潟、長野、福岡、佐賀、長崎、熊本などで繁殖が見られ、その他秋田、山形、神奈川、鹿児島等多くの地域に生息しているようです。

 

1960年代に入ってからの調査では標高100m以上の山地には生息せず、人里を棲み家にしているということがわかりました。

体長はハシブトガラスより一回り小さめ、頭部分は黒、羽根は青みがかかった黒と白い模様が入っています。

エサは穀類や木の実、昆虫などです。ケラなどの土中に生息している昆虫も食べているそう。

一夫一婦制で夫婦は一生解消されることがありません。

 

10月下旬から3月にかけて8m以上の木や電柱などに小枝やワラで巣を作ります。

巣の直径は60~100㎝で、佐賀県の調査では樹木に営巣する割合が全体の3割程度で、あとの7割は電柱に作っていたそうです。

 

巣をつくる樹木はカキノキやエノキ、クスノキ、ポプラなどで、一回の出産で6~7個の卵を産みます。

卵は楕円形で薄緑色。17~18日ほどで順次孵化していきますが、最初の3~4個が孵化すると、メスは抱卵をしなくなり、遅れて孵化したものはほとんど育たないのだとか。

 

正常に孵化したヒナは4週間ほどで巣立ちます。

巣立ち後の一番の天敵はカラス。

ネコやヘビ、イタチやフクロウなども襲ってきます。巣立ち後成長になるまでの生存率は30%ほどしかないのだとか・・・。

カササギと人間の関係

カササギが佐賀県に多い理由は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、佐賀の大名がカササギを持ち込んだからだといわれていますが、確かなことはわかっていません。

それ以前の飛鳥時代、既に輸入していたという記録もあるようです。

 

近年、カササギは電柱に営巣することから、巣が停電の原因になることも多く、電力会社はカササギ除けの風車を設置するなど、工夫をしています。

また、カササギは鳥類の中ではかなり脳が発達している鳥です。

 

鏡に自分の姿を映して、それが自分と認識することが出来るかどうかというミラーテストをクリアするほど高度な知能の持ち主なのです。

農村地帯では、秋になると稲を食べるイナゴを捕食してくれるので、益鳥として扱っているところもあるようです。

また、天然記念物にも指定されています。

 

中国では七夕の日に、カササギが天の川を埋めて、織姫が渡れるようにしたという伝説が残されていたり、それにちなんだ歌が詠まれ、百人一首になっていたりもします。

カササギの鳴き声

そんなカササギの鳴き声は一体どんなものなのか、気になってきたでしょう?

実は伝説や賢い脳みそを持ちながら、鳴き声はいたってた淡泊でシンプル。

 

鳥なの!!??と思わず耳を疑ってしまうような、乾いた「カチカチカチ」という鳴き声なんです。

遠くで聞くと、小さめの犬が騒いでいるようにも聞こえます。

佐賀ではこの鳴き方から、カササギを「カチガラス」と呼んでいるそうです。

カササギのまとめ

カササギは北アメリカ西部、欧米全域、中央アジアなどに分布している。

日本には佐賀平野を中心に全国に分布している。

 

大きな脳をもっており、非常に賢く、ミラーテストをクリアするほどの実力がある。

電柱に営巣し、停電などの原因になる害鳥としての一面がある一方で、農村地域ではイナゴなどを食べてくれる益鳥として扱われることもある。

「カチカチカチ」と乾いた声で鳴くことから、佐賀では「カチガラス」の異名を持っている。

(ライター ナオ)