お馴染みの鳥、シジュウカラ。
雀くらいの大きさの鳥ですが、このシジュウカラの鳴き声には意外な秘密があったってご存知でしたか?
シジュウカラの生態
シジュウカラはスズメ目シジュウカラ科シジュウカラ属に分類される鳥で、日本、韓国を含む東アジア、ロシア極東に生息しています。
日本では4種類の亜種が生息していて、主に北日本の市街地の公園や庭などの平地から山地にかけての湿原で姿を見かけます。
体長は14.5㎝程度。スズメとほぼ同じくらいの大きさで体重は11~20gほどです。
上面が青みがかかった灰色、黒褐色で下面が淡褐色の羽毛をしています。
頭部は黒い羽毛で覆われていて、頬と後頚部に白い斑紋が入っています。
留まった時には翼に左右一本ずつの白い筋模様が見えるのも特徴です。
嘴は黒く、足は淡褐色をしています。
オスは喉から出ている黒い縦線がメスよりも太いのが特徴。
基本的には留鳥ですが、寒さが厳しく、食べ物の少ない所では渡りを行うこともわかっています。
非繁殖期の秋から冬にかけては数羽から数十羽の群れをつくります。
シジュウカラは漢字で書くと「四十雀」となり、四十羽ほどの雀くらいの鳥が群れているところから名がついたと言われています。
食性は雑食で果実や種などのほかに昆虫やクモなども捕食します。
地表の上や樹上を問わず食事する姿が見られています。
繁殖は樹洞やキツツキの開けた穴にメスが苔などを組み合わせて巣を作り、行われます。
4~7月にかけて1~2回の産卵の間に7~10個の卵を産みます。
卵は白色で赤褐色や灰色の斑点が入った模様をしており、メスが12~14日抱卵し孵化し、
その後16~19日で巣立ちます。
石垣や民家の隙間などに巣を作ることもあり、人間の設置した巣箱を巣にすることもあります。
シジュウカラと人間の関係
シジュウカラは日本人には親しみやすい存在として、切手のデザインになったりしています。
1997年から2014年まで70円切手にデザインされていました。
イギリスでは牛乳配達車の後を追い、配達された牛乳の蓋をこじ開けて、中身を飲むという事例も報告されるほど、賢い鳥でもあります。
シジュウカラの鳴き方
シジュウカラには幾種かの鳴き方があり、しかもその鳴き方を組み合わせることで文章を作っているのではないかとも言われています。
例えば仲間に危険を知らせる時に出す「ピーッピ」という声。
そして、集合の合図の時に鳴く「ヂヂヂヂヂヂ」という声。
これらの2つの鳴き方を組み合わせた「ピーヂヂヂヂヂ」という鳴き方で「敵がいるのでみんなで集まって敵を追い払おう」という合図になるのだそう。
実験では「ピーヂヂヂヂヂ」を逆にして「ヂヂヂヂヂピー」の鳴き声をテープで流したところ、全く反応がなかったのだとか。
このことから、シジュウカラの鳴き方の組み合わせにはきちんとした文法があるのではないか、と言われているんです。
ちなみに繁殖期のさえずりは「ツィピーツィピーツィピーツィピー」と繰り返す鳴き方。
「ツィピーツィピーツィピーヂヂヂヂヂヂ」だったら、みんなで集まって繁殖しよう!!!???ってそんなわけないか・・・・
シジュウカラのまとめ
シジュウカラは日本、韓国、東アジア、ロシア極東に分布している。
日本には4種の亜種がいて、北日本を中心に生息している。
食性は雑食で地上でも樹上でも食事する。
石垣や民家の隙間、人間の設置した巣箱などにも営巣する。
非繁殖期は群れでいることが多く、名前も40羽の雀(のような鳥)が群れている様子からついたと言われている。
鳴き方は幾種類かあり、鳴き方を組み合わせることで文章を作っているという研究結果が報告されている。
(ライター ナオ)