先日、蓼科山の近くのカラマツ林を散策する機会がありましたが、野鳥が林を飛び交いピーチク鳴いていました。

残念ながら筆者には何の小鳥か見分けがつきませんでしたが、見分けられるようになりたいものだと思いました。

今回は、かわいらしい小鳥、アオジに注目します。

アオジとはどんな小鳥?

アオジは、スズメ目でホオジロの仲間です。全長16㎝ぐらい、スズメよりちょっと大きい体型です。

頭は暗緑色で、目の周りは黒色。背中は暗褐色で黒い縦縞があり、のどや胸からお腹は緑がかった黄色です。

日本では古くは、緑色も青色に含まれていたので「アオ」のついた名前になりました。

 

キアオジ、ノドグロアオジ、シマオアジ、ノジコなどの仲間がいます。特にノジコとよく似ています。

ノジコのほうが全体的に色が薄く白いアイリングがはっきりしているとのことですが、見分けるのはなかなかむずかしいようです。

アオジはどんなところに住んでいる?

アオジは、中国、ネパール、ブータン、ロシアの南東部、朝鮮半島、日本などに生息しています。

アオジは、渡り区分としては「漂鳥」です。漂鳥とは、一つの地域で季節的に移動する鳥で、夏に山地で繁殖して、冬はあたたかいところに移動して越冬します。

 

日本では、北海道や本州中部以北で繁殖し、冬には中部以西の積雪のない土地で冬を越します。

中には、冬に海外から飛来して越冬したり、旅の途中に立ち寄ったりするものも見られます。

アオジの生態を探る!

アオジは明るい森や林の周辺に住んでいます。

とても用心深い性質で、何かあるとすぐに草やぶや葉深い木枝に隠れます。

 

アオジの体の色は、草やぶなどに入って目立たなくするためのものといえるでしょう。

アイヌの人々は「ポン・ムルルン・カムイ(小さい草むらの中の神)」と呼んで大事にしていたそうです。

 

エサは雑食で、植物のタネや昆虫類を食べます。

地表や低木の木の上に、植物の茎や葉を組み合わせてお椀状の巣をつくります。

 

5~7月ごろ1回で3~5個の卵を産みます。

メスが卵をあたため14~15日で孵化すると、ヒナは12~13日で巣立ちます。

アオジの鳴き声

アオジは、とてもかわいらしく、小鳥らしく鳴きます。

 

野鳥のほとんどは、普段の鳴き声の「地鳴き」と繁殖や縄張り主張のための鳴き声「さえずり」を持っています。

アオジは「チッチッチ」という、とても地味な地鳴きと「ピーチョ、チョ」「チョッピー、チョチョ」など、よく通る美しいさえずりの声を持っています。

かわいらしくて歌っているような鳴き声、癒されますよね。

 

特にアオジのオスは、縄張りの主張のために木の上のほう、高いところで、大きくさえずります。

アオジは見られなくなる?

スズメに黄緑色で色付けしたようなかわいらしい姿のアオジですが、神奈川県や奈良県など数県では、絶滅の恐れがある種としてレッドリストに挙げられています。

各地に住む野鳥の愛好家の間でも、見かけることが少なくなったとささやかれています。

アオジと妖怪

和歌山県や奈良県に伝わる妖怪で、「送り雀」(おくりすずめ)というのがいます。

夜、山道を歩いていると「チチチチ・・・・」と鳴きながら飛んでくるのだそうです。

 

その鳴き声のあとにはオオカミが現れ、道で転んだりすると襲われるので、転ばないように注意して歩かなければならなかったとのこと。

その飛んでくる妖怪の正体はアオジであるという説があります。

 

なぜ、かわいらしいアオジが妖怪と結びつくのか不思議です。

アオジの鳴き声が印象的だからでしょうか。

まとめ

小鳥のピピピという鳴き声が聞こえてくるととても癒されますよね。

そのかわいらしい鳴き声の持ち主、アオジがいなくなり、その鳴き声が聞こえなくなるのはさみしいです。

みなさんの住んでいる土地ではアオジを見かけたことがありますか?アオジの鳴き声を聞くことはできますか?

(ライター sensyu-k)