煮物をはじめ、色々な料理で独特の存在感を放つウズラの卵。

卵は知っているけど、ウズラってどんな鳥なのか知らない人も多いのでは?

今回はそんなウズラの生態と寿命に関するお話です。

ウズラの特徴と生態

ウズラは鳥鋼キジ目キジ科ウズラ属に分類される鳥類です。

本州中部以北の日本、モンゴル頭部、朝鮮半島、シベリア南部、中華人民共和国北東部などで繁殖し、冬になると日本や東南アジアに南下して越冬します。

全長は20㎝ほど上面の羽衣は淡褐色です。

草原や農耕地に生息していて、秋から冬にかけて5~50羽の小規模な群れを形成することもあります。

食性は雑食で種子や昆虫などを食べています。

 

繁殖期になるとオスは喉や顔、体側面の羽衣が赤褐色になり、冬季になると淡色がかります。

一夫一婦制で5~10月には植物の根元や地面の窪みに枯れ草を敷いた巣に7~12個の卵を産みます。

メスのみが抱卵し、抱卵期間は16~21日ほどです。

 

ヒナは孵化後1~2ヶ月で独立します。

ウズラの卵殻表面には褐色のまだら模様があり、これは一種の保護色の役割をします。

模様は卵を作る器官に由来するので、多少の個体差はありますが、一羽のメスの産む卵は同じような模様をしています。

ウズラと人間の関係

ウズラの鳴き声はとてもきれいです。

「クルルルル」「ピヨピヨ」「ピヨーロロロロロ」などと鳴きます。

 

この鳴き声の美しさもあり、ペットとして古くから飼育されてきた歴史があります。

室町時代にはすでに籠を用いて飼育していたという記録があり、江戸時代には武士の間で鳴き声を競い合わせる「鶉合わせ」などが開かれていたようです。

 

一方で食用とされることもあり、生後60日ほどで成熟すると、メスは採卵用として、オスは精肉にされ、炊きや焼き鳥、肉団子等、雑煮の出しに用いられていました。

かつては狩猟対象にされており、乱獲によってその数は激減しています。

 

2007~2017年までは狩猟は禁止されており、環境省のレッドリストにも記載されている状態です。

採卵用の養殖は明治時代から始まったと言われていて、現在でも続いています。

近年は鳥インフルエンザなどの影響で大量に殺処分されることもありました。

ウズラの飼育

スーパーなどで売られている卵には稀に有精卵のものが混じっていて、温めると孵化する場合があり、そんなウズラは、飼育することも出来るというわけ。

ウズラはとても臆病な生き物で、大人しい性格と言われていますが、ウズラ同士の喧嘩はとても激しいものです。

 

そのため、一緒に何羽かを飼う時には、相性の合う、合わないがとても重要で、相性の合うもの同士なら、互いの姿が見えなくなると切ない声で鳴くほど仲良くなります。

ヒナを育てる場合はガラスケースなどがオススメです。

 

結構なジャンプ力の持ち主ですから、天井にはスポンジやタオルなどの緩衝材をつけると良いようです。

砂遊びの砂と容器も必要。体についた害虫を落とすための砂浴びは欠かせません。

 

エサは専用のものが売っていますので、それを与えると良いでしょう。メスの場合は更にカルシウムを多めに与える必要もあります。

その他、季節によってはヒーターも必要です。消臭剤や床材もあった方が無難です。

ウズラの寿命

ウズラの平均寿命は野生下で10年、飼育下で7~8年と言われています。

10年以上長生きした例もあるようで、飼い方によっては長生きするということでしょう。

メスの平均寿命は短く、産卵率が80~90%で、生涯の産卵数が400個近いと言いますから、それを考えると納得できます。

ウズラの生態と寿命に関するまとめ

ウズラは鳥鋼キジ目キジ科ウズラ属に分類される鳥類

本州中部以北の日本、モンゴル頭部、朝鮮半島、シベリア南部、中華人民共和国北東部などで繁殖

寿命は野生下で10年、飼育下で7~8年ほど。

(ライター ナオ)