みなさんは食事の後の口臭って気にしていますか?
私は結構気にする派で、餃子やら焼肉やら食べた後にはかならず口臭ケアをします。
やっぱり、人の口から食べたもののにおいがプンプンしてたらちょっと嫌ですもんね。
しかし、自然界では「そんなこと気にしてられっか!」というツワモノがたくさんいるのです。
まぁ野生の生き物たちにとって「におい」は、マーキングに使ったり威嚇に使ったり、必ずしも忌むべきものではないですからね。
むしろ人間が消臭・無臭にこだわり過ぎている感じもします。
そんな生き物たちの中で今回紹介するのが、とっても臭いと評判の「ヒメコンドル」です。
コンドルというと、颯爽と大空を飛び回るカッコイイ鳥という感じで、臭いというイメージは全くありませんよね。
一体、どんなにおいがするのでしょうか。
ヒメコンドルってどんな鳥?
ヒメコンドルは南北アメリカ大陸、フォークランド諸島などの砂漠・草原・森林に生息している鳥です。
体全体を真っ黒な羽が覆っていますが、顔と頭だけは羽がなく禿げており、目立つ赤色をしています。
禿げている鳥と言えば「ハゲワシ」が思い浮かぶけれど、ヒメコンドルも負けず劣らず見事な禿げっぷり。
実は禿げているのにもちゃんと意味があるのです。
ヒメコンドルは動物の死体(=腐肉)を主な食料としています。
そのため、頭を死体に突っ込んだ時に汚れないように、顔と頭の羽だけ無いのだとか。
腐ったお肉を食べるくせに、顔の汚れは気にするなんてどういうこと?
きっと、見た目の問題というよりは、菌が繁殖したりしないようにするためかな、と想像。
そしてヒメコンドル、動物の死体を見つけるために、とても嗅覚が発達しているんです。
なんと10km以上先にある死体のにおいまで分かるとか。
そんな敏感な嗅覚を持っていて、いざ腐肉を食べる時に臭すぎて気持ち悪くなったりしないんでしょうかね?
ヒメコンドルのにおいの元は…
さて、題名にもなっている通り、ヒメコンドルはとても臭い鳥として評判です。
ではなぜそんなに臭いのでしょうか。
実はヒメコンドル自身の体臭はそんなに臭いわけではありません。
ヒメコンドルは腐肉を食べるため、そのにおいが染みついてしまっているのです。
また、そうなると当然ながら口臭や糞のにおいもかなりの悪臭になりますよね。
これがヒメコンドルが臭い鳥と呼ばれる所以なのです。
確かに腐ったお肉ばっかり食べてたら、臭くもなりますよね。
人間だって、にんにくやお肉を大量に食べた次の日には、すごいにおいを漂わせていたりしますし。
ヒメコンドルはお風呂に入ったり口臭ケアをしたりしないわけだから、それを考えるとどのくらいの悪臭を身に纏っているか想像するのが怖いくらいです…。
腐肉を食べて、お腹壊さないの?
ヒメコンドルは腐肉を主な食料としているわけですが、ちょっと待ってください。
腐肉を食べてお腹を壊さないのか?人間なら一発でアウトですよ!
実はヒメコンドルの消化管は、人間とは比べ物にならないくらい強いのです。
腐肉と一緒に大量の細菌が取り込まれるわけですが、ヒメコンドルの消化管はこれらのほとんどを殺菌してしまうというのです。
そして数少ない残った有害な細菌もヒメコンドルにとっては害をなさず、むしろ消化の手助けをするという共生関係まで築き上げられているそう。
現代人は殺菌やら除菌やらをやりすぎて、逆に免疫力が落ちてしまっているとよく言われていますが、ヒメコンドルを見習わないといけないですね。
人間にもヒメコンドル級の消化管があれば、多くの食べ物が無駄にならずに済むのにと思っちゃいます。
ヒメコンドル まとめ
一度は怖いもの見たさというやつで、ヒメコンドルの悪臭を体験してみたいですね。
日本でも飼育している動物園はいくつかあるようですが、当然ながら餌はフレッシュなお肉や魚のようなので、あまり臭くはないでしょう、残念ながら。
あえて腐肉を与えて、「ヒメコンドルの臭い体験」みたいな企画をやってくれないかなと、淡い期待を抱いております。
(ライター名 もんぷち)