日本ではコウノトリが赤ちゃんを運んでくるという伝説があります。
このお話し、実はドイツの民話がもとになって日本に伝わっているってご存知でしたか?
コウノトリの特徴
コウノトリはコウノトリ目コウノトリ科に属する鳥類に一種で、別名をニホンコウノトリと言います。
全長は110~115㎝で、羽を広げると160~200㎝にもなる大きな鳥です。
体重も4~5kgほどあります。
羽色は白と金属光沢のある黒で、くちばしは黒味のかかった濃い褐色をしています。
脚は赤く、眼の周囲も赤いアイリングが入るのが特徴です。
東アジア飲みに分布し、その送風は役2000~3000羽と少なく、絶滅の危機にある鳥です。
中国東北部地域やアムール・ウスリー地方で繁殖し、中国南部で越冬することが知られていて、日本にも渡りの途中に少数が日本を通過することもあります。
成鳥になると鳴かなくなり、クラッタリングというくちばしを叩き合わせて音を出すことで仲間とコンタクトをとるようになります。
エサは主にザリガニなどの甲殻類やカエル、魚類を捕食し、ネズミなどの小型哺乳類を捕食することもあります。
主に樹上に雌雄で営巣し、1回の出産で3~4個の卵を産み、抱卵期間は30~34日ほどです。
抱卵は雌雄共同で行い、ヒナは約60日で巣立ちを迎えます。
コウノトリの繁殖
日本では野生最後の生息地のひとつである福井県に1970年にメスの一羽が飛来しました。
くちばしを損傷していて、満足にエサを採ることが出来ない状態だったそうです。
豊岡市のコウノトリ飼育場で保護されたコウノトリは2005年まで生き、34年という国内最長飼育記録をたて、更に100個を超える卵を産んだそうです。
しかし、成長したのはそのうちのたった一羽。
この一羽には「紫」という名前が付けられました。
多摩動物公園では中国から譲り受けて人工飼育を続けていた結果、1988年に国内初の人工繁殖に成功しました。
豊岡市のコウノトリ飼育場でも1985年に人工繁殖に成功し、それ以降毎年の繁殖に成功しているのだそうです。
大阪市の天王寺動物園や豊橋総合動植物公園でも繁殖が成功し、国内飼育数を増やしています。
兵庫県では繁殖成功後の1922年に野生復帰計画が開始されています。
コウノトリが赤ちゃんを運んでくる
日本ではコウノトリが赤ちゃんを運んでくる、とよく言われていますが、実はあのお話はドイツの民話からきているのだそうです。
大きなくちばしが特徴的なコウノトリは、赤ちゃんくらいの大きさなら悠々と運ぶことが出来るという発想からなのでしょうか・・・・。
ヨーロッパでも「赤ん坊はコウノトリのくちばしで運ばれてくる」とか「コウノトリが住み着いた家には幸福が訪れる」という言い伝えがあるのだそうです。
昔、子供の出来なかった若い夫婦の家の煙突にコウノトリが巣を作りました。
夫婦はこの巣を壊してしまうのはかわいそうということで、暖炉に火を入れずにコウノトリの子育てを見守ったそうです。
無事コウノトリのヒナが巣立っていったあと、夫婦の間に子供が授かりました。
この実話がコウノトリが赤ちゃんを運んでくる、と言われるようになった発端。
しかし、実際ヨーロッパでコウノトリと言われているのは日本でシュバシコウと言われる鳥で、日本のコウノトリとは別もの。
日本で広まる時に、シュバシコウがコウノトリに入れ替わってしまったようなのです。
ちなみにシュバシコウのくちばしはオレンジ色で、繁殖も集団で行い、食性も小哺乳類や爬虫類を好むなどコウノトリとは違いがあるようです。
現在ではコウノトリとシュバシコウの間の雑種が2代まで生まれており、両者を同一種とする意見が有力になっているのだとか。
(ライター ナオ)