「小雀(小さいスズメ)」と書いて「コガラ」。
小鳥好きにはたまらない、とても小さく可愛らしいフォルムが人気の鳥です。
ただそんなに可愛いのに、あまり知名度は高くないんですよね…。
そこで今回は、そんな小雀の存在を世に知らしめるべく、生態などについて詳しく紹介していきたいと思います!
小雀ってどんな鳥?
小雀はユーラシア大陸の中緯度地域を中心に広く分布している鳥です。
日本国内でも、北海道から九州にかけてと意外に広い範囲で生息しているのです。
ほぼ全国にいるのに、あまり見かけないのはなぜなのか…。
その理由は、小雀の生息環境にあります。
国内で平地に生息しているのは北海道だけで、その他の地域では山地から亜高山帯の森林に生息しているため、あまり身近なところで見かけることはできないのです。
もしも小雀がスズメや鳩レベルでその辺に生息していたら…より多くの人を虜にしたことでしょう。
大きさは全長12~13㎝とかなり小さく、翼を広げても20㎝ほどしかありません。
まさにコガラ(小柄)という名前にピッタリなサイズ感。
主な体色は灰色がかった白色で、翼はより黒みが強いです。
そして頭とクチバシの下は黒く、まるで帽子をかぶってネクタイをしているような風貌。
名前の通り、スズメが少し小さくなってカラーリングが変わったような感じですね。
小雀の餌は昆虫類や蜘蛛、木の実や果実など。
枯れかけた木の幹や枝に穴を開け、巣を作ります。
小雀とハシブトガラの見分け方
小雀とハシブトガラは、前述の通りパッと見では見分けがつかないほど似ています。
ただ、ハシブトガラは北海道にしか生息していませんから、本州以南で見かけた場合は小雀だと思っていいでしょう。
問題なのは、北海道で見かけた場合ですね。
よーく観察して、両者の違いを見分けましょう。
嘴
ハシブトガラはその名の通り嘴が太めで、ややカーブのある膨らんだ形をしています。
それに対して小雀は、細く挑戦的で尖った嘴です。
羽毛の光沢
ハシブトガラは帽子とネクタイ部分に光沢があるのに対し、小雀には光沢がありません。
ハシブトガラの方が、高級品を付けているように見えますね…。
尾羽
ハシブトガラの尾羽は角ばっており、小雀の尾羽は丸みを帯びています。
さえずり
ハシブトガラは「チィーチィー」とリズム感があるのに対し、小雀のさえずりは「チチョーチチョー」と単調です。
小雀は飼育できる?
とても可愛らしい小雀…ペットとして飼うと、絶対に癒されること間違いなしですね。
しかし問題は、飼えるのかどうかということ。
厳密にいえば、国内に生息している小雀をペットとして飼育することはできません。
これは鳥獣保護法によって定められており、無許可で捕獲や飼育をすることは禁じられています。
怪我をしているなど一時的な保護の場合は例外的に認められることもあるようですが…基本的には野鳥を捕まえたり飼育したりするのは犯罪になってしまいます。
しかし、飼育することが絶対に不可能なわけではありません。
初めに少し触れましたが、小雀は日本以外でも広く生息している鳥です。
ということは、海外産の個体を購入して飼育することは可能なのです。
ただし、一つ注意しなければならないのが、きちんと許可を受けて輸入されたものを購入するということ。
もしかすると、海外産と謳っていながらも、国内で密猟されたものである可能性もゼロではありません。
見分けるポイントは、「足環」を付けているかどうか。
きちんと許可を受けたものには、それを示す足環が付いていますから、そこをよく確認してくださいね。
小雀についてのまとめ
小雀はかつては愛玩鳥として飼われることもありましたが、近年では鳥獣保護法もあり飼育する人は少ないです。
飼うよりも、山などに出掛けて、バードウォッチングをするのが一番いいかもしれませんね。
大自然の中を飛び回る姿こそ、より魅力的に見えるのではないでしょうか。
(ライター もんぷち)