日本の国鳥がキジだということは多くの人が知っている事実です。
そう、あの福沢諭吉さんの裏面にも大きく描かれていて、桃太郎のお供をしたという!?キジです。
しかし、何故国鳥がキジなのか、その理由について知っている人は多くはないのではないでしょうか?
今回はキジの記事をお届けします。
キジの特徴
キジはキジ目キジ科キジ属に分類される鳥類で、日本鳥学会では記事は日本やユーラシア大陸広域に分布する単一種としています。
日本では北海道と対馬を除く本州、四国、九州に留鳥として分布していて、日本には東北地方に生息するキタキジ、本州・四国の大部分に生息するトウカイキジ、紀伊半島などに局地的に生息するシマキジ、九州に生息するキュウシュウキジの4亜種が自然分布していました。
ユーラシア大陸が原産地であるコウライキジがもともとキジが生息しちえなかった北海道、対馬、南西諸島などに狩猟目的で放鳥され、野生化しています。
全長はオスが81㎝、メスが58㎝程で、翼開帳は77㎝程。体重はオスが0.8~1.1kgでメスが0.6~0.9kgです。
オスは翼と尾羽を除く体色が美しい緑色をしており、頭部の羽毛は青緑色で、目の周りに赤い肉腫があります。
背に褐色の班がある濃い茶色の部分があり、翼と尾羽は茶褐色、メスは全体的に茶褐色でヤマドリのメスに似ていますが、ヤマドリのメスよりも白っぽい色をしており、尾羽は長いのが特徴です。
コウライキジは体長がやや大きく、首に白い模様があり、冠羽と体色が全体的に茶褐色です。
山地から平地の林や農耕地、河川敷などの明るい草地に生息し、地上を歩いて主に草の種子、芽、葉などの植物性のものを食べますが、昆虫やクモなども食べます。
繁殖期のオスは赤い肉腫が肥大し、なわばり争いのために赤いものに対して攻撃的になり、ケーンと大声で鳴き、なわばり宣言をします。
その後、両翼を広げて胴体に討ちついてブルブル羽音を立てる動作が母衣打ち(ほろうち)と呼ばれます。
メスはチョッチョッと鳴き、子育てはメスだけが行います。
地面を浅く掘って枯草を敷いた巣を作り、4~7月に6~12個の卵を産みます。
オスが縄張りを持ち、メスは複数のオスのなわばりに出入りするので、乱婚の可能性が高く、非繁殖期には雌雄別々に行動します。
抱卵はメスが行いますが、ことわざで「焼け野のキギス(キジ)」というものがある通り、山火事がきて自分が焼け死んでしまっても卵を守り続けるという言い伝えがあります。
夜間は樹の上で眠り、飛ぶのは苦手。走るのは速く、時速32㎞を記録しました。
人体で近く出来ない地震の初期微動を知覚できるので、人間より数秒速く自信を察知することが出来るともいわれています。
国鳥としてのキジ
そんなキジですが、日本の国鳥に選ばれたのは1947年の事です。
22人の鳥学者が集まって多数決によって決められた国鳥がキジ。
その理由としては、本州・四国・九州で1年中見られる日本固有の留鳥であること、人里近くに生息するので目にする機会も多い事、オスは羽色が美しく、性質が勇敢であること、メスは母性愛が強く、多くの人に好まれていること、桃太郎などの日本の文学や芸術などでも古くから親しまれていること、などがあるそうです。
それに加えて味が美味しいから!?という理由があったとかなかったとか・・・。
未だに日本ではキジは狩猟対象となっており、日本のンボルであるキジを食べる文化もなくなっていません。
そこが何とも日本らしいというか・・・・自然と共に生きている日本人ならではの発想なのかなと思ったりもします。
ちなみに他の候補としてはヤマドリ、ウグイス、ハトなどがあったそうですが、大多数でキジに決まったのだそうです。
(ライター ナオ)