大きな目玉とはげ茶瓶のような頭が特徴的なダチョウ。
そんなダチョウが飼育できるって知っていました?
ダチョウの生態
ダチョウはダチョウ目ダチョウ科ダチョウ属に分類される最大の鳥類。
かつてはアフリカ全域やアラビア半島に生息していましたが、現在はアフリカ中部と南部に生息するだけになっています。
体長は230㎝、体重135kg。
頭部が小さく、頸部は長くて小さな羽毛に覆われています。
翼を持っていますが、竜骨突起がなく、胸の筋肉が貧弱で飛ぶことはできません。
羽毛は羽軸を中心に左右対象でフワフワしています。
肢は頑丈で、キック力は100㎡辺り4.8tもあります。
肢には中指と外指の2本が生えていて、かき爪のようになっています。
オスの体色は黒、メスの体色は灰褐色で尻尾は白色です。
サバンナ、砂漠、低木林に生息していて群居性でオスメス混合のグループを作って行動しています。
一婦多妻で、オス同士は縄張りを争います。
繁殖時期は特に決まっていませんが、グループの中で優位のメスから順番にオスが地面に作った窪みに卵を産みます。
他のメスたちは優位のメスの産んだ卵の周りに卵を産み、外敵に備えます。
卵の大きさは11㎝、卵黄は世界最大の細胞と言われています。ニワトリの卵と比べると、ニワトリの卵20~30個分ほどの大きさだそうです。
性成熟は4年で寿命は70~100年と言われています。
食性は雑食性ですが、草を食べることが多く、胃の中に石を蓄えて、その石ですり潰して消化していることも知られています。
鳥類はもともと視力が良いことでも知られますが、その中でもとりわけダチョウの視力は良く、目の大きさは直径5㎝、重さ60gほどで、脳みそよりも目の方が重くて大きいと言われています。
ダチョウ人間の関わり
ダチョウと人間は古代エジプトの時代から、深いかかわりがありました。
ダチョウの羽根は装飾品として古くから利用されていました。
また、肉も需要があり、高たんぱく、低脂肪なうえに鉄分が多く含まれ、健康志向の人たちからは特に好まれています。
歯ごたえもあるので、刺身やたたき、ステーキ、焼肉、ハンバーグ等、様々な料理の材料として使われています。
ダチョウの背中部分の皮膚を使って作られた製品は軽くて丈夫で人気があります。
オストリッチという水玉模様のような模様が入った製品として売られています。
羽根は現在でも装飾品として利用されており、宝塚歌劇団のトップスターが身に着ける羽根もダチョウの羽根なのだそうです。
ダチョウは怪我の治りが早いことでも知られています。
ダチョウの卵から採取した抗体を使ったマスクは風邪予防に最適で、一つの卵から4~8万枚のマスクが作られているのだそうです。
飼育下のダチョウ
ダチョウは大きな目でまつ毛も長く、人を恐れない性格から、動物園などでも人気があります。
日本各地の動物園などの施設で飼育されているようです。
日本の飼育下では繁殖期は2月末~9月末の期間中で、メスは一つの巣に15~25個の卵を産み、抱卵し孵化させます。
昼間はメスが抱卵し、夜はオスが抱卵します。
1日おきに産卵し、巣には他のメスの卵も産み落とされるのだとか。
メスは40年間にわたって卵を産み続けることが出来ます。
寒さや暑さに強く、北海道から九州までの範囲で飼育が可能です。
一羽のダチョウを飼うために必要な敷地面積は50㎡ほど必要です。
エサはサツマイモやトウモロコシの粉、海藻などをバランスよく与えると卵もより栄養価の高いものになるようです。
ダチョウのまとめ
ダチョウはアフリカ中部と南部に生息している。
鳥類最大の体長で卵の黄身も最大の細胞と言われている。
野生下では群れで行動することが多く、一婦多妻。
日本でも北海道から九州まで飼育できる。
一羽あたり50㎡の敷地面積で飼育することが出来る。
(ライター ナオ)