皆さんは「イラガ」という毛虫をご存知でしょうか?

イラガは、チョウ目イラガ科の昆虫およびその総称です。

刺蛾とも書きます。ほかにも蜂熊、オキクサン、シバムシ、キントキ、デンキムシ、ヤツガシラ、オコゼとも呼ばれ、さまざまな地方でおそれられてきました。

オコゼ虫の正体は?

イラガの幼虫は樹木の葉を食べて、農家の方を困らせるだけでなく、この毛虫に刺されると、電気が走ったような何とも言えない激しい痛みに襲われるようです…。

全身のトゲの先から毒液を分泌するからです。

当記事では、そんなおそろしいイラガの正体に迫るとともに、厄介なイラガの幼虫から大事な樹木や果物を守るために、イラガを予防する方法を紹介していきたいと思います。

イラガの幼虫の生態

イラガの生息地は、北海道・本州・四国・九州など、外国ではシベリア・朝鮮半島・中国などに広く分布しています。

日本には27種が生息していますが、その中でよく見られるイラガの幼虫は、背中に砂時計のような模様がある「イラガ」と、黄緑色の派手な背中の「ヒロへリアオイラガ」です。

そして線香花火のような毒を持つトゲトゲの毛が体中にたくさん生えています。

 

発生場所は、あらゆる樹木で繁殖する事が出来ますが、バラ科やヤナギ科の葉の裏に群体で生息している事が多いです。

イラガの発生時期は年に2回あり、季節は夏の7月~8月の間と、秋の9月~10月の間に姿を現します。体長は25ミリ程度です。

鮮やかな緑色や薄茶色で背面に一本のラインがあり、ウミウシのような形状をしていて、脚が短くずんぐりした体に多くのトゲを持ちます。

 

なお、イラガの幼虫はさまざまな種類の樹で繁殖します。

幼虫は食欲旺盛で、カキノキやサクラ、ウメ、リンゴなどのバラ科の樹、あるいはカエデ類、ヤナギ類、クリ、ツバキや山茶花や茶などの植物に集団で生息し、丸裸になるまで葉を食べつくす事もあります。

イラガの幼虫が生息している植物の葉は、白っぽく薄くなってしまう傾向があります。

イラガのまゆの特徴

イラガは終齢幼虫(前蛹)で越冬します。そのためのまゆを作ります。

 

茶色い線が入った白く固い卵状のカラです。カルシウムを多くふくんでいて、日本の昆虫がつくるまゆのなかでもっとも固いという話もあります。春先になかで蛹化し、6月に羽化します。

羽化のときには、まゆの上端がふたのように開きます。小さな穴は、寄生蜂の脱出口だったりします。そんな見た目なので、地方によっては、スズメノショウベンタゴとも呼ばれます。

釣り餌に用いられることもあります。

 

イラガの成虫は?

イラガの成虫は無毒で羽に黄色と橙色の模様を持っているのが特徴です。

大きさは16~18mm、羽を広げると30mm程の大きさがあります。

イラガは成虫になると口が退化して何も食べられないので、幼虫の時に蓄えて置いたエネルギーを使っています。

成虫は食害もなく毒も持たないので人体には無害と言えます。

夜行性で、夜になったら電柱の明かりやマンションの電気などに寄って来ます。

イラガの成虫には毒がある?

イラガの幼虫に刺されると電撃のような激しい痛みが走る!

被害が植物だけならまだいいのですが…、前述のようにイラガの幼虫は毒針をもっているので人体への被害が大きいのも特長の一つです。

イラガの幼虫に知らずにふれると、まるでハチに刺されたような鋭い痛みに飛びあがると言われています。

「電気がビリビリと走るような痛み」「熱々の鉄を押し付けられたような痛み」などと例えられるぐらい、激しい痛みです。

これが地方名のひとつ「デンキムシ(電気虫)」の由来です。

 

これは、イラガの幼虫が外敵を察知したときに、全身のトゲの先端から毒液をいっせいに分泌するためです(それがおそらく皮膚から注入されるのでしょう)。

実際、イラガの体を光にかざすと、すべての針の先から液体が分泌されていることが分かります。刺激はかなり強く、場合によっては皮膚に水疱状の炎症を生じることもあるそうです。

イラガの毒の性分は厳密には解明されていませんが、ヒスタミンやさまざまな酵素を成分とした非酸性の毒ということまでは分かっています。

 

イラガに刺された場合は、すぐに流水で毒液とトゲを洗い流してください。

トゲが残っていれば、粘着テープなどでトゲを除去してあげてください。患者は、かなりの痛みを感じているので、おそらく自分で除去はできないでしょう。

除去した後に、市販の虫刺されの治療薬を塗るとよいでしょう。

 

なお、中和目的にアンモニア水を塗っても効果はありません。

抗ヒスタミン剤やアロエの葉の汁を塗布するのが有効であるとされています。

「イラガ」に刺されたら?

鋭い痛みは、1時間ほど続きます。かゆみは、1週間程度続くことがあるようです。

薬を塗っておけば、じきに治りますが、少しでも症状がおかしいと感じり、目に入った場合は速やかに皮膚科のある病院に行きましょう。

 

イラガの卵をつぶしたり、ふれただけでもかぶれるので注意が必要です。

イラガの卵の特徴 

また、イラガの種類によっては、まゆに毒毛をつけている場合があります。

イラガの繭の特徴

イラガの予防方法

イガラの繭を見つけたら、剥がして処分しましょう。

イラガの繭はウズラの卵のような形をしていて、灰色です。

 

繭には毒はないので安心してください。

イラガの幼虫が発生し始めるのは6~8月です。

 

冬あたりからオルトランなどの殺虫剤を、定期的に撒いておくと予防になります。

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イラガの幼虫駆除におすすめの殺虫剤

すでにイラガの幼虫が発生している場合は、毛虫や蚊、ゴキブリ用の殺虫剤が効果的です。

具体的には、フェニトロチオン、アセフェート、ピリミホスメチル、マラソン、ペルメトリンなどの乳剤です。7日ぐらいの間隔で数回散布するとよいでしょう。

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マラソンは、浸透移行性なので樹木のなかを移動します。

そして虫が葉を食べることで効果を発揮します。

イラガが発生する前――6月ごろ――に、予防的に使用するとよいでしょう。

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スミチオンは、イラガに直接かかるか、イラガが殺虫剤のかかった葉を食べることでその効果を発揮します。このスミチオンの散布も複数回したほうがよいでしょう。

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葉のかげに隠れて、死をまぬがれているかもしれません。

 

イラガの幼虫が多く付いてる場合は、木の枝などを剪定する方法もあります。

イラガの幼虫は死んでいても毒を持っているので、処分する際は気をつけましょう。

 

イラガが好む樹木が生えているお庭のお手入れや掃除をする時は、素手では行わないようにしましょう。

そして、イラガの幼虫の毛が触れないように、長袖長ズボンが良いですよ。

 

イラガは特に柿の木に発生が多いそうです。

落ち葉などに隠れている場合もあるので注意しましょう。

イラガの予防・駆除方法についてのまとめ

イラガの予防について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

イガラの繭を見つけたら処分すること。

イラガの幼虫が発生する時期の前に、殺虫剤を定期的に散布すること。

樹木に発生してしまっている場合は、毛虫に効く殺虫剤を使うのが効果的で、予防するには樹木をマメにチェックすることがポイントです。

 

イラガの幼虫の発生時期は夏の7月~10月です。

 

熱い真っ盛りですが、もし見かけたらイタズラ心を起こすことなく、すみやかに逃れてください。ビリっときます。

(ライター まるお)

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