イラガは、チョウ目イラガ科の昆虫およびその総称です。

刺蛾とも書きます。ほかにも蜂熊、オキクサン、シバムシ、キントキ、デンキムシ、ヤツガシラ、オコゼとも呼ばれ、さまざまな地方でおそれられてきました。

全身のトゲの先から毒液を分泌するからです。当記事では、そんなおそろしいイラガの正体に迫ります。

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イラガの幼虫の生態

イラガは日本に27種が生息しています。そのなかには、幼虫に毒トゲを持つものも含まれます。

通常は、7月から8月頃に見られます。多い年は10月頃にも見られます。体長は25ミリ。脚が短く、ずんぐりした体に多くのトゲを持ちます。

トゲにふれると、まるでハチに刺されたような鋭い痛みを生じます。

これは、毒トゲの先端部が皮膚にふれた際に、内部の毒が注入されるからと考えられています。その成分は、ヒスタミンのような発痛物質とされていますが、詳細は分かっていません。

なお、さまざまな種類の樹で繁殖します。

カキノキやサクラ、ウメ、リンゴなどのバラ科の樹、あるいはカエデ類、ヤナギ類、クリなどの葉裏に集団で生息しています。

イラガのまゆの生態

イラガは終齢幼虫(前蛹)で越冬します。そのためのまゆを作ります。

 

茶色い線が入った白く固い卵状のカラです。カルシウムを多くふくんでいて、日本の昆虫がつくるまゆのなかでもっとも固いという話もあります。春先になかで蛹化し、6月に羽化します。

羽化のときには、まゆの上端がふたのように開きます。小さな穴は、寄生蜂の脱出口だったりします。そんな見た目なので、地方によっては、スズメノショウベンタゴとも呼ばれます。

釣り餌に用いられることもあります。

 

イラガの成虫の生態

イラガの成虫は無毒です。

ちなみに口吻が退化しているため、なにも食べません。

イラガの虫刺被害と治療

幼虫に知らずにふれると、激しい痛みに飛びあがると言われています。

地方名のひとつ「デンキムシ(電気虫)」の由来です。

 

これは、イラガの幼虫が外敵を察知したときに、全身のトゲの先端から毒液をいっせいに分泌するためです(それがおそらく皮膚から注入されるのでしょう)。

実際、イラガの体を光にかざすと、すべての針の先から液体が分泌されていることが分かります。刺激はかなり強く、場合によっては皮膚に水疱状の炎症を生じることもあるそうです。

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するどい痛みは、1時間ほど続きます。かゆみは、1週間程度続くことがあるようです。

イラガの卵をつぶしたり、ふれただけでもかぶれるので注意が必要です。

 

また、イラガの種類によっては、まゆに毒毛をつけている場合があります。

イラガに刺された場合は、すぐに流水で毒液とトゲを洗い流してください。

トゲが残っていれば、粘着テープなどでトゲを除去してあげてください。患者は、かなりの痛みを感じているので、おそらく自分で除去はできないでしょう。

除去した後に、市販の虫刺されの治療薬を塗るとよいでしょう。

症状がひどい場合や目に入った場合は、医師の治療を受けてください。

イラガの毒の性分は厳密には解明されていませんが、ヒスタミンやさまざまな酵素を成分とした非酸性の毒ということまでは分かっています。

 

なお、中和目的にアンモニア水を塗っても効果はありません。

抗ヒスタミン剤やアロエの葉の汁を塗布するのが有効であるとされています。

症状がひどい場合には、皮膚科で処置をする必要があります。

イラガの幼虫駆除におすすめの殺虫剤

そんなイラガの幼虫には、蚊やゴキブリ用の殺虫スプレーが効果的です。

具体的には、フェニトロチオン、アセフェート、ピリミホスメチル、マラソン、ペルメトリンなどの乳剤です。7日ぐらいの間隔で数回散布するとよいでしょう。

 

マラソンは、浸透移行性なので樹木のなかを移動します。

そして虫が葉を食べることで効果を発揮します。

イラガが発生する前――6月ごろ――に、予防的に使用するとよいでしょう。

 

スミチオンは、イラガに直接かかるか、イラガが殺虫剤のかかった葉を食べることでその効果を発揮します。このスミチオンの散布も複数回したほうがよいでしょう。

葉のかげに隠れて、死をまぬがれているかもしれません。

 

イラガの幼虫は7月から8月頃によく見られます。

熱い真っ盛りですが、もし見かけたらイタズラ心を起こすことなく、すみやかに逃れてください。ビリっときます。

(ライター ジュン)

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