「イラガ」って知っていますか?
イラガの幼虫はとても強力な毒針を持った害虫です。
イラガは越冬するために繭を作ります。
イラガの繭の特徴を知っていたら、駆除することもできますよね。
そこで、イラガの繭の特徴について紹介していきたいと思います。
イラガとは?
イラガ(刺蛾)とは、チョウ目イラガ科に属しています。
「デンキムシ、ヤツガシラ、オコゼ、蜂熊、オキクサン、シバムシ、キントキ」など、各地方で色々な呼び名があります。
イラガは日本全国に生息しています。
種類によって変わりますが、7~10月に発生します。
イラガの幼虫が好きな樹木は、カキ、サクラ、ウメ、クリ、ナシ、アンズ、クルミなどです。
イラガは害虫とされていて、イラガ幼虫は樹木の葉を食べます。
放っておくと、葉っぱは葉脈以外すべて食べられてしまいます。
そしてその樹木に繭を作り、成長して大量発生なんてことになります。
また、イラガの幼虫の体長は25mmぐらいで、棘には毒があります。
ライム色の体で、毛が線香花火のようにたくさん生えたイモムシといったところでしょうか。
イラガの成虫の大きさは、開張時で30mmぐらいです。
翅にはオレンジ色と黄色の模様があります。
イラガの成虫には毒はありません。
そして、何も食しません。
灯火に飛んできます。
イラガの種類
イラガは日本で20種類生息しています。
ここでは、私達がよく見かけることができるイラガの代表、2種を紹介したいと思います。
どちらの幼虫の棘にも毒があります。
イラガ
7~8月に発生します。
黄緑色の背中に、茶褐色の砂時計のような模様があります。
ヒロへリアオイラガ
6~7月と8~9月の年に2回発生します。
黄緑色の背中に、青いドット模様があります。
触角のような角が2本あり、先がオレンジ色です。
イラガの繭の特徴
イラガは越冬を繭で行います。
繭の色は灰白色で、茶色い線がはいっています。
小さな卵のような形をしていて、とても硬いです。
この繭はカルシウムがたくさん含まれています。
実はイラガの繭は、日本に生息している昆虫の中で一番固いといわれています。
イラガの好む樹木の枝や、コンクリートの壁などに繭を作ります。
蛹になる前のイラガが繭のなかに潜んでいます。
孵化するときには、繭の上が蓋のようになっているので、パカっと開きます。
この繭の中にいるイラガは「玉虫」と呼ばれていて、タナゴ釣りのエサとして使われます。
ちなみにお値段は1個50~100円です。
イラガの棘
イラガの幼虫には棘があります。
この棘は毒針となっています。
幼虫が危険を察知すると、すべての棘の先から毒液を放出します。
この針に触れた瞬間に痛みが襲います。
一度イラガの幼虫に刺されると、10年は忘れることができないぐらい痛いそうです。
とてつもない痛み、飛び跳ねるような痛みなどと表現されます。
他にも、電気に触れたような痛みなので”電気虫”という別名もあります。
この痛みは1時間ほど続くそうですよ。
イラガの幼虫に触れた皮膚には、水疱状の炎症が現れます。
そして、かゆみが1週間程度続くそうです。
イラガの幼虫に刺された場合はすぐに水で洗い流しましょう。
棘が残っている時は、ガムテープなどで棘を取ってしまいましょう。
その後、虫刺されの薬を塗ります。
症状が酷い場合は病院に行って、処置してもらうことをおすすめします。
イラガの繭の特徴について まとめ
イラガの繭の特徴についてわかりましたか?
イラガの繭は灰白色で、イラガの幼虫が好む樹木にくっ付いています。
繭を見つけたら、成長する前にはがして処分しましょう。
繭には毒がないといわれていますが、種類によっては繭に毒をつけているイラガもいます。
イラガの繭を駆除する際は素手で触るのは避けましょう。
(ライター 雲呑)