梅の木は昔から日本人にとっては馴染みの深い樹木です。

梅干し用の梅を摂るために栽培している地域も沢山あります。

そんな、梅の木につく毛虫をまとめてみました。

梅毛虫の特徴

梅毛虫はオビカレハというチョウ目カレハガ科に分類される蛾の一種です。

幼虫が梅を食害することで、梅毛虫の名前が付きました。

また、糸で巣を造り、集団生活をすることから天幕毛虫とも呼ばれています。

北海道から屋久島まで広く分布していて、体は茶色く、体長は㎝程。

 

ドクガに似ていますが、一生を通して毒を持つことはありません。

メスは前翅に垂直に暗褐色の帯を持っていますが、オスは帯の輪郭だけ。

 

園芸種を糧に生きているので、成虫よりも幼虫の方が一般的には知られています。

水色の体に3条のオレンジ帯と白く長い毛を持っています。

 

食樹はソメイヨシノ、カキ、バラ、ウメ、モモ、リンゴ、ナシ、ウツギ、コナラ、ヤナギ、ササなど多数。

枝に帯状に産み付けられた卵はそのまま越冬し、翌春4~5月に孵化します。

 

生まれてきた茶色一色の幼虫は卵塊を中心に枝にテント状に糸を張り、集団生活を行い、エサが減ると移動するということを繰り返して成長します。

5齢幼虫になると、それぞれが巣を出て単独で行動し、その後黄色い粉のついた繭を作り蛹化します。

芋虫・毛虫のまとめ ヤバいやつはどれ?

梅毛虫の駆除

梅毛虫は梅という日本には馴染みの深い樹木に古くから発生している毛虫で、かつては棒の先に石油を浸した布を括り付け、その布に火をつけて毛虫を焼き殺すという駆除方法を行っていました。

 

「毛虫焼く」という春の季語があるくらい、日本人の暮らしの中においては大事な作業だったようです。

最近は殺虫剤を使っての駆除が一般的です。

 

5齢幼虫になると、てんでバラバラに分散してしまうので、その前のテントの中に集団でいる時に駆除するのが適当です。

また、時間帯としては早朝が最もよく、日中気温が高くなると巣を離れて近くの新芽を食べにいき、一斉駆除が難しくなります。

梅につくその他の害虫

梅の木につく毛虫はそれだけではありません。

例えばイラガの幼虫。

 

イラガには数種類存在し、いずれも葉の被害はそれほど深刻なものではありませんが、幼虫の棘にはドクガあり、触れると鋭い痛みを感じます。

発生の時期は7~10月頃で、鮮やかな黄緑色の体に棘が生えたいぼのような突起が全身に突き出しています。

 

毛虫というには毛は少なく、体形も太くて短く、ずんぐりとしているのが特徴。

体長は24㎜程です。

 

中には褐色や青色の線紋のあるものもいて、個体差があるのも特徴です。

駆除方法は、単独でいることが多いので比較的簡単。

見つけたら、捕殺するか、大量にいた場合は柵材を散布します。

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ウメスッカシクロハ

ウメスカシクロハは北海道、本州、対馬およびシベリア東部に分布し、平地に住んでいます。

マダラガ化に属し、翅の開帳は23㎜内外の小型種です。翅は透明ですが、体は黒色を帯び、多少青色の輝きがあります。

 

初夏に出現し、昼間活動します。

幼虫には毒針毛があり、触れると痛みを感じます。

 

幼虫は新芽を好んで食べるので、ウメの生長が悪い場合はコノウメスカシクロハに食害されている恐れがあります。

発生時期は4~7月。

見回りをして、早期に発見することが必要です。

アカホシテントウ

アカホシテントウも梅の木に産卵することがあります。

幼虫は少し毛の生えた小さな小さな毛虫のようにも見えますが、これは梅の木にとっては害虫となりうる毛虫ではありませんので、放っておいて大丈夫です。

うめにつく毛虫の正体のまとめ

いかがでしたでしょうか。

梅につく毛虫には数種類存在します。いずれも、手遅れにならないようにしっかり駆除することをおすすめします。

特に若い木の場合は大きなダメージを受ける場合がありますので注意してください。

(ライター ナオ)

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