日本人にはとても馴染みの深い椿。
落ち着いた赤い花を見るとなぜか心が和みます。
そんな椿にびっしりとつく、毛虫。
彼らの正体とは一体・・・・・・
椿の害虫
椿にとって害虫となる昆虫は数多く存在します。
例えば、カメムシ目のアオバハゴロモやコミカンアブラムシ、チャノミドリヒメヨコバイ、ツノロウムシ、ベッコ
ウハゴロモ、ルビーロウムシ。
ダニ目でいうと、チャノサビダニ、チャノナガサビダニ、チャノホコリダニ。
ハエ目ではチャノハモグリバエ。
そして、チョウ目ではゴマフボクトウ、スギタニモンキリガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、チャミノガ、チャドクガなどです。
これらの害虫はツバキの幹や葉などを食害し、椿の生長に大きなダメージを与えます。
チョウ目の幼虫は、葉だけでなく、蕾や花、幹などを食害しますが、その中で毛のウジャウジャ生えた毛虫となると、数は限られてきます。ゴマフボクトウやスギタニモンキリガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、トビマダラメイガの幼虫は1齢~老齢虫になるまで毛が全身にもじゃもじゃと生えることはありません。
幼虫時代をいわゆる「毛虫」と呼べるのは、チャドクガとヒロヘリアオイラガということになるのではないでしょうか。
ヒロヘリアオイラガは有毒な棘を全身に生やした緑色の毛虫で、葉を食害します。
そして、チャドクガは・・・・。
チャドクガの生態
〈幼虫時代〉
本州以南の日本各地に生息しているチャドクガ。
毛虫は4~10月にかけて2回ほど発生します。
淡黄褐色で体長は25㎜程度。チャノキやツバキ、サザンカなどのツバキ科の植物の葉を食害することでも知られています。
数十匹が頭をそろえて集団で葉を食べ、食いつくすと集団で移動していきます。
刺激を与えると、幼虫たちはいっせいに顔を上げ、頭を揺らす行動をとるのですが、これは敵に自分たちの存在を大きく見せる効果があり、同時に体を揺らすことで棘を飛ばして攻撃をしているのだとか。
6齢までは集団で行動し、その後分散していきます。
2齢虫以降に毒を持つと言われる毛は0.1~0.2㎜程の長さでヒスタミン等の物質を持っています。
成長と共に毒針毛は増加していき、体表の黒色隆起部分には毒針毛を含んだ毛が含まれ、蛹になる直前の幼虫では毒針毛は50万本にまでなっていると考えられています。
幼虫の体から抜けやすくなっている為、人間の体や皮膚に付着することも多く、毛に小さな棘のようなものがついている為、一度付着すると抜けにくいのも特徴です。
毛がつくと2~3時間のうちに皮膚は赤く腫れ、痒みが生じます。この症状は長期にわたって続くので、とても厄介。体質によってはアレルギー反応を起こす場合もあります。
放っておくと痛みや痒みで眠れなくなったり、発熱やめまいを伴うこともあるので注意が必要です。
成虫になり、交尾を終えると、チャドクガのメスはツバキの葉の裏などに120個ほどの卵を産卵し、卵の塊は成虫の体毛によって守られます。
チャドクガの駆除方法
チャドクガを駆除するためには幼虫の段階で根絶するのが最も一般的なやり方です。
幼虫が若い間は葉の裏に隠れているので、その葉ごと切り取って捨ててしまいます。
この時、毛が風に乗って飛ばされることもあるので、作業する時は肌の露出をなくしてからするようにしましょう。
また、専用のチャドクガを固めるスプレーなども販売されているので、一度スプレーで固めてから苦情するという方法もあります。
幼虫は成長すると一か所に固まるのをやめ、それぞれが分散していきます。
こうなってしまった場合はスプレー殺虫剤による駆除がオススメです。
樹木全体に範囲が広がってしまっている場合は液体の殺虫剤を広く散布してください。
成虫になってからの駆除に関しては、殺虫剤が有効です。
走光性で灯に向かって飛んでくる習性がありますから、灯に周辺や建物の壁に殺虫剤をかけておくと、効き目があります。直接成虫に向かって殺虫剤をかけるのも有効です。
(ライター ナオ)