みなさんは幻のヘビとも呼ばれていた「タカチホヘビ」を知っていますか?
名前を聞いたことも無い、という人も多いのではないでしょうか。
一体どんなヘビなのか、気になりますね。
幻ということは、数が少ないとか目につかない場所に生息しているとか、そういうことなんでしょうかね。
今回はそんなタカチホヘビについて、生態や特徴など詳しくみていきたいと思います。
タカチホヘビってどんなヘビ?
タカチホヘビは中国南東部、ベトナム、国内では北海道から九州にかけて、広く生息しています。
名前の由来は、発見者である「高千穂宣麿男爵」から。
全長は約30~60cmと小型で、色は褐色。
正中線上に黒い縦じま、うろこに虹色の光沢があるのが特徴です。
ただし幼蛇の場合はこの縦じまが不鮮明なので、他のヘビと見分けが付きにくいことも。
夜行性で森林に生息しており、昼間は落ち葉や倒木の下に潜んでおり、地中に潜ることもあります。
そのためとても見つけにくく、偶然に遭遇することも少ないため、「幻のヘビ」と呼ばれていたのです。
しかし実際は生息密度はそんなに濃くないながらも、生息数自体は少なくないということが分かっているそう。
ですがやはりどんなに生息密度が濃い場所でも、タカチホヘビの姿を見かけることは稀なんだとか。
倒木の下などをかなり頑張って探せば、お目にかかれるかもしれません。
特に7月下旬から8月にかけてが繁殖期なので、その前後だと見つかる確率も上がるかも?
性格はとても大人しくデリケートで、毒も持っていません。
いくら小さくてきれいなヘビでも、毒を持っていたら台無しですからね!
ただし、触りすぎると逆にタカチホヘビの方が弱ってしまう場合もあるので気を付けましょう。
ヘビにしては、なんとも弱々しい…。
餌は主にミミズ類を食べます。
タカチホヘビの飼育
小さくて大人しいタカチホヘビ、なんだか飼育できそうな気がしてきますよね。
実際のところ、飼育は可能なのでしょうか。
結論から言えば、飼育することは「可能」。
しかし、寿命まできっちりと育てようと思うと、かなり難易度の高いヘビです。
課題となるのは「温度」と「湿度」。
タカチホヘビは元々湿度が高く涼しい森林に生息しているので、その環境を飼育下で再現するのはとても難しいのです。
特に夏はクーラーや扇風機を駆使し20度前後を維持して、かつ乾燥しすぎないようにしなければなりません。
とてもデリケートなので、少しの環境の悪化で命を落としてしまうこともあるので細心の注意を払わなければなりません。
また、もう一つの課題が餌の確保。
タカチホヘビは主にミミズを餌としているのですが、釣具店で売っているような釣り餌のイトミミズは食べません。
自力でフトミミズやドバミミズなど野生下のミミズを採集してくる必要があります。
かなりの覚悟がないと、タカチホヘビに餌を提供し続けることは難しいのではないかと思います。
そもそも、タカチホヘビはまず手に入れることが難しいヘビです。
野生のものを捕獲するのも、上でも記した通り「幻のヘビ」というだけあってとても難しいのです。
ごく稀にペットショップで販売されていることもあるようですが、すぐに売れてしまうのでなかなか手に入りません。
また、値段も日本産で広く分布しているヘビにも関わらず、1万円以上という高値が付けられています。
タカチホヘビについてのまとめ
普段は倒木の下や地中に潜り込んでいて、滅多に目にすることのないタカチホヘビ。
「幻のヘビ」という名にふさわしいですね。
もしいろんな手間をかけて飼育することを決めたとしても、ほぼ土の中などに潜っているのであまり飼育自体は楽しくないんだとか…。
というわけで、飼育まではしなくてもいいけれど、一度くらいは実際に見つけてみたいなーと思います。
(ライター もんぷち)