最近話題になったシロマダラというヘビ。
滅多に姿を現さない幻のヘビと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。
シロマダラの野生下の生態や外見の特徴
シロマダラはナミヘビ科マダラヘビ属のヘビです。名前に白がつきますが、一般的な個体は白くはありません。
学名はDinodon orientale、Dinodonはマダラヘビ、orientaleは東洋。
英名はoriental add‐tooth snake、シロマダラは歯列に特徴があるようで、こういう英名が使われています。
体長は大人のシロマダラでおおよそ30㎝から70㎝くらい。見た目はいかにもヘビらしく、褐色のような色合いに黒い斑点があります。
頭は黒いのが特徴。
腹は白っぽく舌は赤です。
ヘビとしては細身で、ヤモリなどのトカゲを食べる動物食です。
毒はありません。
ヘビの背中の鱗は「体鱗列数」と呼ばれ、種によって異なります。
背中の真ん中の部分の鱗の数の事だそうで、種別の確認に使われるようです。
シロマダラの場合、その数が17です。奇数で素数。
卵生で、夏に卵を産みおよそひと月ほどで孵化します。
子供のシロマダラは模様がはっきりしています。
活発に活動するとみられる時期は、5月から10月くらいと考えられています。
ナミヘビ科、マダラヘビ属のヘビたち
ナミヘビ科のヘビは世界中にいますが、マダラヘビ属のヘビは主にアジア圏に生息しています。
その中でもシロマダラは一番小さなヘビで、日本固有種です。
日本に生息するマダラヘビ属のヘビは3種。
アカマタ、アカマダラ(アカマダラ、サキシママダラ)、シロマダラです。
種が少ないという意味では希少なヘビです。
シロマダラの特徴など
生息地は北海道から九州、離島までと幅広い。
比較的温暖な地方にいるようですが、北海道でもシロマダラが見つかった例があるようですよ。
山中に棲むこと、夜行性で昼間はうろつかずに木の枝の下などにじっと隠れていることが多いことなどから、見かける事が少ないようです。
稀に早朝に活動する事もあるらしい。
地域により生活形態が異なるようでもあり、個体数の把握や詳細な生態の解明など、産卵や孵化の様子などが研究対象になっているようです。
シロマダラは夜行性ですが餌であるヤモリの寝ているところを襲うため、夜行性になったとか。
毒はありませんが、気性は荒めでわりと噛むので痛いそうです。鎌首をもたげて毒蛇に似せる擬態や死んだふりもするようです。
販売店など
販売しているショップは多くないでしょう。
また、採取も難しいでしょうね。最近は珍しいヘビだということで、高額で取引されているようですが。
準備するもの
シロマダラはケースの中を音もなく登って脱走することもあるので、蓋つきケースの上には網や石を置きましょう。
床には木片などを置きます。
冬になると冬眠しますが、元気であれば春先になると目覚めます。
シロマダラはあまり太らない細いヘビなので、冬眠している間心配になるかも知れませんが放っておきましょう。
温度管理など
極端な高温には弱いみたいです。
22度から24度くらいを保ちます。
湿度は高くても良いです。
飼育したいなら温暖な気候の地域が望ましいかも知れません。
シロマダラの餌はトカゲ専門
シロマダラはヤモリなどのトカゲを食べます。
他の餌は、彼らの体調にあまり良い影響を与えません。
丸ごとの生餌が良いそうで、たとえばヤモリの尻尾を切って与えることはあまりよくないようです。
まだ小さいシロマダラの場合、大人のヤモリを丸呑みできない可能性もありますから、個体に合わせたサイズのヤモリを用意しましょう。
野生下においてマダラヘビはヤモリを丸呑みします。
骨や内臓なども栄養になっているからです。はっきりした寿命は不明。
シロマダラとヘビについて
シロマダラは見つける事が難しく、個体数は地域により差があるようです。
いるところにはいそうなものでもあります。
しかし何となくですが、もしシロマダラらしきものを見かけても放っておいた方がいい気がします。
聞くところによると日本に生息するヘビは42種だそうです。
多いような、そうでもないような。
シロマダラは様々な観点から、42種の中でも貴重なヘビであると考えられます。
動物園によっては飼育している事もあるので、どうしても見たければそこを訪ねましょう。
ヘビは不思議な生き物です。
『斜陽』の冒頭部分にヘビがするすると木を登るシーンがあったと思いますが、本書の中で印象に残っているのはクライマックスシーンと思われる箇所よりも、ヘビについてです(最初に出てくるからかも知れませんが)。
いつの間にか出てくるヘビたちは探して見つかるものでもない。
夜間ぼんやりしていたら、シロマダラが目の前に現れる、なんてこともあるかも知れません。
(ライター:おもち)